FIFAワールドカップ、真っ最中。間もなく決勝トーナメントが行われます。日本は残念だったね……的なことはもう言いますまい。涙の数だけ強くなれるよ。

そんなこんなで決勝トーナメントの組み合わせを見たところ、わかっていたけど中南米……どころか南北アメリカ大陸だらけです(確実に次回のアジア枠は減らされますな。ところで〈4.5枠〉ってなに? 半分?)。そこで、アメリカブラジルをはじめ、わりと日本でも音楽的にメジャーな国はともかく、コスタリカウルグアイといった国の音楽事情はよくわからないなと思い、ひとまず表層的にでも調べてみることにしました。日本語で検索できる程度の、文字通り表層的なものなのであしからず。

まずは、今大会の大穴となったコスタリカ。イタリアイングランドといった強豪国だらけの通称〈死のグループ〉に属していながら、実際のところ〈死のグループ〉の一員としてカウントされていないのでは……という非常に失敬なムードすら漂っていましたが、何かに後押しされて脅威の強さを発揮したシンデレラ・ネイションであります。ここは南北アメリカ大陸のちょうど真ん中へんにある、カリブ海と太平洋に面した国。憧れるわ~。なかなかにロックも強いらしいですが、やはりラテン音楽がメインストリームな模様。そんななかでも気になったのはカリプソ。日本で言う北島三郎的なポジションの方なのでしょうか、ウォルター・ファーガソンというシンガーの曲に胸を打たれました。カリプソと言えば賑やかなトロピカル・サウンドを想像するかもしれませんが、こちらはおじいちゃんが自宅の軒先でポロロンと弾き語る姿が目に浮かぶ、素朴な味わい。感傷を抑えたような舌足らずの歌唱に、なんだかすごくたまらない気持ちになって、不覚にも涙が出ました。

【参考動画】ウォルター・ファーガソンの2004年作『Dr. Bombodee』収録曲“Carolyne”

 

一方で、こんなメタル・バンドも発見(一方すぎる)。サイト・オブ・エンプティネス! どうやら11月に〈EXTREME METAL OVER JAPAN〉なるイヴェントで来日するそうです。バンドのオフィシャルサイトには日本語で〈日本のみんな、準備はいいか? なんたって俺たちは君たちの美しい国を訪ねるのが待ちきれないんだよ、近いうちに会おう!〉とあり、なんたって涙が出ました。特にこの↓エモいメタルコア曲の展開もカッコイイです。

【参考動画】サイト・オブ・エンプティネスの2014年作『Instincts』収録曲“Essence”

 

続いて、グループ・ステージではコスタリカと同じD組、2位で勝ち上がったウルグアイ。せっかく世界屈指の素晴らしいストライカーにもかかわらず、厄介な癖をお持ちの選手が毎度お騒がせしてしまっている……がんばってほしい国であります。開催地のブラジルとアルゼンチンという大国に国境を接しており、Wiki情報によると南米で2番目に小さい国だそう。そして、どうやらカンドンベはウルグアイの音楽だったようです!  打楽器メインの音楽ということで自動的にアフリカのものだと思っていた大いなる勘違い。しかしよく調べてみると、やはり地元のアフリカ系の方が始めたものなのだとか。

【参考動画】ウルグアイの首都・モンテヴィデオのカンドンベ・パフォーマンス映像

 

ワー、楽しそうだ! 数種類の太鼓が用いられるそうで、人数はバラバラですが、グループで演奏されます。カルナヴァルの時期には大人数でのパレードが行われ、↑の動画はわりとカジュアルな出で立ちの軍団ですが、カンドンベ・チームもばっちりメイクやら衣装やらをキメて、さながらリオのカーニヴァルのような煌びやかなドレスを来た女性も踊りまくったりする模様。イイな。

これでも地味ですが、ちょっとキメた感じの動画を見つけました↓。お父さんかお兄さんが軍団にいるのか、チビッ子もちっちゃい太鼓を一生懸命叩いていてカワイイ(中盤あたりに登場します)。

【参考動画】ウルグアイのどこかの街のカンドンベ・パレード(2011年)

 

それから、こんなラテン・ポップも見つけました。マルティン・ブスカグリア・イ・キコ・ベネーノというユニット。これめっちゃイイです! ファンクバチャータソカっぽいアプローチを繰り出していて、ちょっぴりエキセントリックな展開もありつつ~なこのポップセンスはかなりツボ。この人たちは気にしておこうと思います。

【参考動画】マルティン・ブスカグリア・イ・キコ・ベネーノの2012年作『El Pimiento Indomable』

 

……といっただいぶ表層的な調査結果、すみません(塩)。いやもうまだまだ聴いておくべきものはありますが、個人的に気になったものを掬ってみた感じです。何はともあれ噛みつくのは良くないよ、キミ!