ピアニスト/シンガーのジョン・バティステは、人気TV番組の音楽監督を務めたり、NYハーレムにある国際ジャズ博物館のアート・ディレクターであったりと、多方面で活躍するルイジアナ出身の成功者だ。アルバム・デビューから15年も経つが、ヴァーヴからの本作がメジャー・デビュー盤となる。T・ボーン・バーネットのプロデュースにより、ニューオーリンズの古い教会をリフォームしたスタジオでスタンダードからオリジナルまでを録音。“What A Wonderful World”や“Smile”のシンプルかつ心のこもった静謐な解釈、“Chopinesque”におけるクラシック音楽を軸とした表現など、幅は広いがどの曲からも誠実さと歴史に対する理解が伝わってくる。目の前で弾いて歌っているような親密さも素敵だ。