メジャー進出作となる3作目。LAMP EYE“証言”を引用した“RED ZONE”で聴かせるMCバトル仕込みの瞬発力は言わずもがな、〈KOK〉2連覇の偉業にも驕ることなく、みずからを〈クズ〉と戒めてリアルな感情を曝け出すスタイルは、本作にも通底している。J-REXXXを迎えた“チャレンジャー”などの男気路線もありつつ、DJ PMXの哀感漂うビートに乗せて彼女との別れを愛憎交えて歌う“レイニーブルース”から、かつての支え合った日々を懐かしむ“三日月”、そしてアサキの歌声が切ない“オトノ葉”へと至る流れには、彼の詩情と私情がたっぷり。ライヴDJのDJ MXNISTに宛てた“相棒”も熱いが、前作『花水木』収録の“カタツムリ”に続き、亡き祖母への想いを綴った“最期の詩”は涙なしには聴けない。