BASIの『LOVEBUM』以降のリリースや参加作、『切愛』と繋がるグッド・ヴァイブな作品たち

BASI LOVEBUM BASIC MUSIC(2017)

『切愛』の確信に満ちたムードにも直接的に繋がる境地を拓いた通算5作目のソロ・アルバム。高い評価を得た先行曲の“たゆたう”や“Fallin'”を筆頭に、何気ない日々の美しさに敬意を払った筆圧の柔らかさが印象的で、〈らしからぬ〉ジャケもハマった名盤だ。WATTやAFRA、東里起、chop the onionらが参加。

 

BASI & THE BASIC BAND Rainy EP BASIC MUSIC(2018)

2016年にフリー配信した“あなたがいた夏”を前段階として、翌年から始動したバンドの初EP。SoulflexのRaB(ドラムス)、ImproveのSaetsu(キーボード)、HISA(ギター)、オオツカマナミ(ベース)を交えてBASIのメルティー&メロウな世界がさらに温かく発展している。後3者は『切愛』でもそれぞれ好演。

 

PUSHIM×韻シスト TO THE NEXT Groovillage/徳間ジャパン(2018)

2015年の共演シングル“Don't stop”をきっかけにPUSHIM主宰レーベル入りした韻シスト。これはダブルネームで編まれた企画EPで、タッグを組んだ2曲に加え、韻シストBANDプロデュースによるPUSHIM曲、韻シストの曲、BAND名義曲がそれぞれ収録。DJ Mitsu the Beatsによる表題曲のリミックスも薫り高い。

 

韻シスト IN-FINITY Groovillage/徳間ジャパン(2018)

バンドの結成20周年を記念した通算8枚目のフル・アルバム。スタイリッシュな“Don't worry”など曲調の違いも含めて、BASIとサッコンのタイトな2MCが人懐っこいバンド・サウンドと絡むコンビネーションの快感は他名義では得難いものだ。この8月には早くも新作ミニ・アルバム『SHINE』が控えている!

 

illmore ivy Chilly Source/Manhattan/LEXINGTON(2018)

チル&メロウな佳曲群で頭角を表してきたビートメイカーのillmoreは、『切愛』にて“夕暮れ”と“夢の途中”のトラックメイクに抜擢。特に後者のドリーミーな意匠は印象的だ。それに先駆けた本人名義のこのアルバムにはBASIが“Drunk”に駆けつけ、作品の終盤をレイドバックした歌い口でまったりと彩っていた。

 

LUCKY TAPES dressing ビクター(2018)

高橋海が『切愛』で“月ひとつ”を手掛けるのに先駆け、こちらに収録のエレガントな“COS”にはBASIが客演。バンド演奏とトラックメイク的な作りを並列で捉える作法は通じる部分があるだろう。ここにCharaが参加していたり、UKOの別掲作『ONE LOVE』で高橋とBASIが名を連ねていたり、重なる部分は多い。

 

chop the onion CONDUCTOR OMAKE CLUB(2018)

本文によると『切愛』の起点になったという“愛のままに”は、chop the onionがRSVPなソウル名曲をネタ使いした温かい好仕事。そんな彼のこの最新作では“シールドマシン”にBASIがお返し客演してLIBROとコラボ。『LOVEBUM』に貢献していたWATT a.k.a. ヨッテルブッテルの“すこしこのまま”にも注目!

 

SIRUP FEEL GOOD A.S.A.B(2019)

メジャーの舞台でも一躍成功を収めたSIRUPことKYOtaroが属するSoulflexは大阪を拠点とするアーティスト集団で、BASIC BANDのRaBなどBASIと縁深い顔ぶれが多く、『切愛』にはクルー首謀者のMori Zentaroがトラックを提供。最近はBASIC BANDのHISAがSIRUPのライヴ・メンバーを務めてもいる。

 

FNCY FNCY EVIL LINE(2019)

このたび『切愛』の“普通”に客演している鎮座DOPENESSとBASIは、STUDIO韻シストでの人気曲“HOT COFFEE”(2017年)に続いての手合わせ。そんな奇才もG.RINA×ZEN-LA-ROCKと組んだこのトリオでのアルバムがちょうど登場するタイミングで、音の景色は違うもののこれまた天国気分の心地良さ。

 

Chara Sympathy キューン(2017)

彼女のセルフ・カヴァー集でのコラボやフェス出演時の演奏サポートを発端に、2014年には共演シングル“I don't know”も残しているCharaと韻シスト。このアルバムではメロウな“Intimacy”にBASIが登場するが、そんな親密さは今年2月のChara×BASI名義の7インチ“Sweet Night Fever”にも実を結んでいる。

 

LIBRO SOUND SPIRIT AMPED MUSIC(2018)

互いの作品でのコラボはまだないものの、chop the onionの“シールドマシン”やサイプレス上野とロベルト吉野の大名曲“RUN AND GUN pt.2”でもBASIとマイクを交わしているLIBRO。こちらの自身の最新アルバムでも日常生活に染み込むような普遍の言葉とサウンドが展開されていて、また共演の機会もありそう。

 

kiki vivi lily vivid EPISTROPH(2019)

直接のコラボはないが……ちょうど『切愛』と並べて聴けそうな内容なのでご紹介。illmoreの別掲作やシティー・ラップ系のミックスCDでもたびたびBASIとニアミスしてきたシンガー・ソングライターがWONKのレーベルから出したアルバムで、Sweet Williamによる“カフェイン中毒”などのメロウな温度感が絶品!