アワ・ネイティヴ・ドーターズでの作品から間もなく発表されたリアノン・ギデンズの最新作。今作はイタリア人ピアニストのフランチェスコ・テューリッシとのデュオ名義。キャロライナ以来となるジョー・ヘンリープロデュースによるダブリン録音。フランチェスコはマルチ・インストゥルメンタリストとしての手腕を主に発揮し、ケルトを経由し中東まで網羅する。フォークを始点にルーツを遡るとそれは世界各国へ行き亘る。使用する楽器にまで本作のタイトルの示すテーマが徹底されている。そして古代からの数多の地域の記憶が交差しているからこそ、簡素なアレンジの中でも彼女の歌は真に迫り雄弁なのだ。