COLUMN

ベニー・シングスやG.RINAらが語る渡辺信一郎監督の最新作「キャロル&チューズデイ」。豪華作家陣が揃った挿入歌たちを一挙紹介!!

© ボンズ・渡辺信一郎/キャロル&チューズデイ製作委員会

刺激的な音楽を使って作品ごとに話題をさらう渡辺信一郎監督の最新作「キャロル&チューズデイ」。今回は、豪華作家陣が参加した挿入歌コンピの第1弾を紹介します!!

 渡辺信一郎が総監督を務め、「交響詩篇エウレカセブン」(2005年)などを手掛けたアニメ・スタジオのボンズと、音楽レーベルのFlyingDogがタッグを組んで制作するオリジナル・アニメ「キャロル&チューズデイ」(以下、C&T)。この3組による作品と言えば、渡辺監督の肝入りで向井秀徳からmabanuaまでが劇中曲に参加したSFコメディー「スペース☆ダンディ」(2014年)や、さらにボンズの前身であるサンライズ第2スタジオ時代に遡れば菅野よう子によるジャズ・ファンクが物語をスタイリッシュに彩った「カウボーイビバップ」(98年)があり、いずれも音楽面で大きな注目を集めた。渡辺は他にも、ヒップホップと時代劇を融合した「サムライチャンプルー」(2004年)、類家心平や石若駿ら気鋭のプレイヤーを迎えてジャズの魅力をアニメに落とし込んだ「坂道のアポロン」(2012年)などを監督し、サウンドや音響に深いこだわりを持つことで知られる。そんな彼が初めて音楽そのものを題材に選んだオリジナル作品が、このC&Tというわけだ。

 物語の舞台は近未来の火星。文明の発展により、音楽を含むあらゆるカルチャーがAIによって作られる時代において、ミュージシャンをめざす二人の女の子=キャロルとチューズデイが出会い、AIに頼らずみずからの歌と演奏で紡ぐ彼女たちの音楽が、やがて大きな波を起こしていく――というのが大まかなストーリーだ。設定的には現実離れしているが、作中ではInstagram風のSNSや「アメリカン・アイドル」のようなオーディション番組などが登場。その意味ではフィクションを通して、現代における音楽や文化の在り方を描いた作品とも言える。

VARIOUS ARTISTS TV animation CAROLE & TUESDAY VOCAL COLLECTION Vol.1 flying DOG(2019)

 当然音楽も挑戦と刺激に満ちた内容になっており、まず登場キャラによる劇中歌はすべて声優とは別に歌唱担当のシンガーを立てて制作。キャロル役はアトランタを拠点に活動するR&Bシンガーのネイ・ブリックス、チューズデイ役は日本でシンガー・ソングライターとして活躍するセレイナ・アンが担当し、世界に通用する作品にしたいという渡辺監督の意向も踏まえ(本作はNetflixを通じて全世界配信されている)、国内外の豪華なアーティスト/クリエイターが楽曲提供している。そのうちアニメの第1クール(第1話~12話)に登場する曲をまとめたものが、今回リリースされるコンピ盤『TVアニメ「キャロル&チューズデイ」VOCAL COLLECTION Vol.1』。作品の世界観に浸れるのみならず、現在進行形のサウンドや、トレンドを押さえた良質なポップス集に仕上がっているので、本作を入り口にC&Tの世界に足を踏み入れることも、あるいは音楽の広大なフロンティアに飛び込むこともできるはずだ。 *流星さとる


キャロル&チューズデイの2019年のシングル『Kiss Me / Hold Me Now』(FlyingDog)

 

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