元ジャパンのドラマーであるスティーヴ・ジャンセンが、トーマス・フェイナー、ウルフ・ヤンソン、チャールス・ストームと結成した新ユニット、エグジット・ノース。彼らがなんと世界初となるライヴを、ここ日本のBillboard Liveで行う。Billboard Live OSAKA公演は9月25日(水)に、Billboard Live TOKYO公演は9月27日(金)に開催。ここでは、ジャンセンのキャリアを簡単に紹介しつつ、スペシャルなサポート・アーティストも参加するというライヴの観どころに迫る。

1959年生まれのスティーヴ・ジャンセンは、74年に兄のデヴィッド・シルヴィアンらとバンド、ジャパンを結成。82年の解散までドラマーとして貢献した。同バンドは、アフロ・ビートや東洋の音階を採り入れた独自のサウンドが高く評価され、特にバンド最終作にあたる81年の『Tin Drum(錻力の太鼓)』は、ポスト・パンク/ニューウェイヴを代表する名盤として名高い。

『Tin Drum』収録曲“Visions Of China”
 

バンド解散後は、同じくジャパンのメンバーだったキーボーディスト、リチャード・バルビエリとジャンセン/バルビエリとして活動。ニューエイジ的なムードも強いアンビエント・アルバムを発表するなど、実験的なサウンドを追求していく。また、日本人ミュージシャンとの結び付きも深く、高橋幸宏や矢野顕子、竹村延和などの作品に参加。2007年の初作『Slope』以降はソロ名義でも活動し、2016年からは1年に1作、自主制作でアルバムを発表するなど、精力的な姿を見せてくれている。

今回来日するエグジット・ミュージックは、『Slope』にヴォーカリストのトーマス・フェイナーが参加したことから発展したという。トーマスが旧知の仲であった2人――鍵盤奏者のウルフ・ヤンソンとマルチプレイヤーのチャールス・ストームをジャンセンに紹介し、現体制に。そして、4年にわたる制作期間を経て、2018年にファースト・アルバム『Book Of Romance And Dust』を完成させた。

『Book Of Romance And Dust』のトレイラー
 

リリカルなピアノと美しい低音を響かせる歌声が厳かなムードを作り出し、弦楽器や管楽器が聴き手を柔らかな膜のように包み込む。力強い存在感を放つドラムは、雄大な自然のようであり、リズミカルに動く機械のようでもある。近年リヴァイヴァルしていたニューエイジの文脈はもちろん、ポスト・クラシカルやインダストリアルといった昨今の音楽カルチャーのキーワードをいくつも内包したアルバムだ。

『Book Of Romance And Dust』を引っ提げての本公演は、バンドにとって初のライヴという時点で価値あるパフォーマンスなのは間違いない。今回はベーシストにスウェーデンの名手、スヴェン・リンドヴァルも帯同し、圧倒的なリスニング体験を届けてくれるはずだ。

加えて、サポート・ミュージシャンとして徳澤青弦カルテット、映像演出にアート・ディレクターの菱川勢一も加わることが決定。日本人アーティストがジャンセンら4人の世界をエレガントに彩る。あらゆる意味で、この機会を逃すと二度はないであろうプレミアムなライヴ。ぜひBillboard Liveで味わってほしい。

 


LIVE INFORMATION
エグジット・ノース

2019年9月25日(水)Billboard Live OSAKA
1stステージ 開場17:30/開演18:30
2ndステージ 開場20:30/開演21:30
サービスエリア 8,500円/カジュアルエリア 7,500円(1ドリンク付き)
★詳細はこちら

2019年9月27日(金)Billboard Live TOKYO
1stステージ 開場17:30/開演18:30
2ndステージ 開場20:30/開演21:30
サービスエリア 8,500円/カジュアルエリア 7,500円(1ドリンク付き)
★詳細はこちら

■メンバー
ウルフ・ヤンソン(ピアノ/キーボード)
チャールス・ストーム(シンセサイザー/トリートメント/ギター/ベース/ヴォイス)
スティーヴ・ジャンセン(ドラムス/パッド/シンセサイザー/パーカッション/バッキング・ヴォーカル)
トーマス・フェイナー(リード・ヴォーカル/トランペット)

■サポート・メンバー
スヴェン・リンドヴァル(ベース)
徳澤青弦(チェロ)
吉田篤貴(ヴァイオリン)
地行美穂(ヴァイオリン)
須原杏(ヴィオラ)

■映像演出
菱川勢一(DRAWING AND MANUAL)