沖 仁

日本を代表するスターギタリスト沖仁と鈴木大介が再び共演を果たし、尺八演奏家・藤原道山をスペシャルゲストに迎える公演〈沖仁×鈴木大介 ギターコンサート ーゲスト:藤原道山を迎えて〉。2026年3月6日(金)に東京・銀座ヤマハホールで開催され、極上の音響空間で観客を新たな世界へと誘う一夜限りのコンサートだ。今回は、ライター服部のり子に3人の貴重な共演への期待を綴ってもらった。 *Mikiki編集部


 

鈴木大介
©Nobuo MIKAWA

ボーダーレスに活動する超一流ギタリストと尺八奏者

沖仁と鈴木大介というふたりのギタリストがヤマハホールで再び共演する。沖仁はフラメンコギターで、鈴木大介はクラシックギター。ジャンルこそ異なるが、ともにその道を究めている超一流のギタリストでありつつ、多岐にわたるボーダーレスな音楽活動という共通点がある。

たとえば、鈴木大介は、現代音楽はもちろんのことタンゴやジャズにも精通していて、ベスト盤には誰もが知るようなボサノバやジャズ、映画音楽の名曲も収録されている。それらの演奏は、6本の弦から発せられている音とは信じられないほどの響きで、情感豊かであり、本当にギターソロ?と思ってしまうほど。作曲家の武満徹が「今まで聴いたことがないようなギタリスト」と評したのは有名な話だ。

沖仁は、フラメンコ発祥のスペイン・アンダルシア地方のなかでも生活の中にフラメンコが根付いている最後の街と言われている、ヘレス・デ・ラ・フロンテーラで武者修行した経験がある。フラメンコの魂を伝えるギタリストと本場で高く評価される一方で、幅広いレパートリーでも知られている。その発想はどこから?と思うような雅楽の東儀秀樹をはじめ、能やバレエなどとも果敢にコラボしている。

そんな2人は、2024年12月に同ホールでフラメンコギターの最高峰カニサレスと共演しているが、今回は想定外と言えるようなゲストを迎えることとなった。その意外な演奏家とは尺八の藤原道山だ。いわゆる純邦楽の彼もKOBUDO -古武道-というトリオで、音楽言語の異なるピアノやチェロと演奏している。

もともと尺八は、楽器ではなく、虚無僧が修行のため一音で宇宙とつながり、悟りを開くために吹いていたもの。それがルーツにあることを藤原道山の尺八は、感じさせてくれる。一音で空間を支配する力があるうえに自由自在、まるで魂が解き放たれたような音を奏でることができる。

 

藤原道山

初めて聴く歓びが観客を待っている

そんな鈴木大介、沖仁、藤原道山が同じステージに立つのだ。この3人には共通点がいろいろある。まずは、ともに経験豊富な50代で、演奏は円熟味を増しているけれど、まだまだ野心を失わずに挑戦を続けていること。さらに作曲もする。事前に発表されているプログラムの一部にはそれぞれのオリジナル楽曲も含まれている。

そのプログラムを見ると、クラシックの作曲家ボッケリーニの楽曲“ファンダンゴ”もあるけれど、ロドリーゴの“アランフェス協奏曲”やパコ・デ・ルシアの“二筋の川”、ファリャのバレエ音楽“粉屋の踊り”をはじめ、スペインの作曲家の作品が並んでいる。これらの名曲で鈴木大介と沖仁のギターがどう響き合うのか。その美しき音を想像しただけで、幸福感が満ちてくるようだ。

さらに藤原道山は、KOBUDO -古武道-で“アランフェス協奏曲”を演奏している。彼がどの曲でゲスト出演するのか、まだ発表されていないけれど、ぜひ3人による“アランフェス協奏曲”は、実現させてもらいたい。

3月6日の夜に、同世代の演奏家3人がどんな化学反応を生み出すのか。2本のギターと尺八の共演は、現時点で聴けるレコーディングの音源はない。だから、未知数のところが多く、想像しがたい一面はあるけれど、だからこそ一期一会の期待は募る。初めて聴く歓びが観客を待っているのだ。その興奮も楽しみにしたい。

 


LIVE INFORMATION
沖仁×鈴木大介 ギターコンサート ーゲスト:藤原道山を迎えて

2026年3月6日(金)東京・銀座 ヤマハホール
開場/開演:18:30/19:00
出演:沖仁(フラメンコギター)、鈴木大介(クラシックギター)、藤原道山(尺八)
料金(税込):6,000円(全席指定)
主催:ヤマハ株式会社ヤマハホール

■注意事項
※本公演は休憩なし、20:45頃終演を予定しております
※都合により出演者、曲目が変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております
※チケット料金には消費税が含まれております

■プログラム
粉屋の踊り(ファルーカ)、粉屋の女房の踊り(ファンダンゴ)~Fallaメドレー(M. デ・ファリャ)
Fandango(L. ボッケリーニ)
はげまし(鈴木大介)
アランフェス協奏曲(J. ロドリーゴ)
二筋の川(P. デ・ルシア)
Fantasma2(沖仁)
汀の花(鈴木大介)
東風(藤原道山)
ほか

■チケット情報
チケット販売中

チケットぴあ
チケットぴあでのご予約・お申し込み
WEBからのお申し込み ※座席選択可能
・Pコード:315-660
・発売日:2025年12月6日(土)

座席種別:指定席

■お問い合わせ
ヤマハ銀座店
TEL:03-3572-3171(ヤマハ銀座店 インフォメーション)
営業時間:11:00~18:30
定休日:毎週火曜日(祝日の場合は営業いたします) ※2026年3月30日(月)は臨時休業いたします
住所:〒104-0061 東京都中央区銀座7-9-14

詳細ページ:https://retailing.jp.yamaha.com/shop/ginza/hall/event/detail?id=7899

 


PROFILE: 沖 仁
幼少の頃より様々な楽器を親しみ、クラシックギター、アコースティックギター、エレキギターを体系的に学ぶ。やがてフラメンコギターに魅了され、セラニート氏に師事。スペインと日本を往復しながら、アンダルシアの生活に根付いた本場のフラメンコを吸収し本格的に研鑽を積む。1997年、ANIF新人公演にて奨励賞を受賞。2010年にはスペインで開催された〈ニーニョ・リカルド フラメンコギターコンクール〉国際部門において審査員満場一致で優勝し、アジア人として初の快挙を成し遂げる。その模様はTBS系「情熱大陸」で放送され、大きな反響を呼んだ。アジア、南米、ヨーロッパをはじめとする20か国以上でワールドツアーを行い、豊富な演奏経験を持つ。ステージでは純粋なフラメンコ曲からジャンルを超えたカバー、そして自身の心象風景を映し出すオリジナル曲まで幅広いレパートリーを披露し、聴衆を魅了し続けている。またその柔軟な感性と高度な演奏技術を生かしたコラボレーションにも定評があり、クラシック、ジャズ、ポップス、ロック、演歌、邦楽のみならず、バレエ、フィギュアスケート、能、演劇、朗読など多岐にわたるジャンルのトップアーティストとの共演を重ねている。近年は演奏活動に留まらず、作曲家として映画やCMなどの映像作品の音楽制作やEXILEなどアーティストへの楽曲提供、アレンジ、プロデュースを手がけるほか執筆活動やワークショップ、教材制作を通じた教育活動にも力を注ぐ。ヤマハ株式会社、Aranjuez社、ギター製作家・黒澤哲郎氏とともに沖仁監修モデルのフラメンコギターをリリース。フラメンコギターの新たな価値創造と、唯一無二の価値創造に全力を注ぐ。日本フラメンコ協会理事。
オフィシャルサイト:http://jinoki.info/

PROFILE: 鈴木大介(クラシックギター)
作曲家の武満徹から「今までに聴いたことがないようなギタリスト」と評され、以後、明晰な解釈力と洗練された技術によって常に注目を集める。現代日本の作曲家による作品の初演を数多く行ったほか、武満徹による遺作“森のなかで”などを世界初録音。楽譜の出版も多く、2021年には武満徹没後25周年を記念して「武満徹 映画とテレビ・ドラマのための音楽 ギター編曲作品集」をショット・ミュージックより出版。斬新なレパートリーと新鮮な解釈によるアルバム制作はいずれも高い評価を受け、『カタロニア讃歌~鳥の歌/禁じられた遊び~』は2005年度芸術祭優秀賞(レコード部門)を受賞。2022年より8弦ギターによる新たな音響の世界を追求、アルバム『浪漫の薫り』では多弦ギターのために書かれたロマン派作品を録音した。最新作は2026年に没後30年となる武満徹の〈歌心〉に光をあてた『海へ』。マリア・カナルス国際コンクール第3位、アレッサンドリア市国際ギター・コンクール優勝。第10回出光音楽賞、平成17年度芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。
オフィシャルサイト:https://www.daisukesuzuki.com/
ブログ:https://daisukeguitar.seesaa.net/

PROFILE: 藤原道山
10歳より尺八を始め、初代山本邦山(人間国宝)に師事。東京藝術大学音楽学部邦楽科卒業、同大学院音楽研究科修了。在学中、皇居内桃華楽堂において御前演奏。安宅賞、江戸川区文化功績賞、松尾芸能賞新人賞、平成30年度文化庁芸術祭優秀賞(アルバム『季(TOKI)〜冬〜』)、令和2年度(第71回)芸術選奨 文部科学大臣賞、第5回服部真二音楽賞を受賞。これまでにCD、映像作品など多数リリース。伝統音楽の演奏活動及び研究を行うとともにKOBUDO -古武道-や尺八アンサンブル風雅竹韻などのユニット活動、様々なジャンルのミュージシャンとの共演を積極的に行う。映画「武士の一分」にゲストミュージシャンとして参加したほか、ONE PIECE × 人形浄瑠璃 清和文楽「超馴鹿船出冬桜」総合演出・音楽監修、「マクベス」「ハムレット」「山月記・名人伝」(野村萬斎演出)などの舞台音楽、吉永小百合氏の朗読アルバム『第二楽章 福島への思い』の音楽監修も手がける。小学校及び中学校音楽教科書(教育芸術社)の執筆・編集・出演や後進の育成など普及・教育活動にも力を注ぐ。2025年はデビュー25周年としてCDをリリース、コンサートツアーを企画。現在、公益財団法人都山流尺八楽会所属・竹琳軒大師範。都山流道山会主宰。公益社団法人日本三曲協会会員。生田流箏曲彌生会音楽顧問、東京藝術大学副学長・音楽学部准教授、徳島文理大学客員教授。美幌観光物産大使(北海道)。
オフィシャルサイト:https://dozan.jp/