メジャー・デビュー前から続けてきたミックステープ・シリーズの最新弾が公式扱いで登場。引き続き自身の親しんできた00年代R&B/ヒップホップの有名曲だけを引用した企画色の強い構成で、そもそも脚光を浴びたのがブラウンストーン使いの“Say It”だった彼らしい展開とも言える。ジャギド・エッジとJDを招いた“The Trade”やクリス・ブラウンとの“The Take”など、半可通の間ではなかったことにされている往時のメインストリーム・ヒットをモダンなヴァイブで再生した楽曲が並び、近年のラッパー/シンガーの歌唱表現の源泉となるT・ペインやドリームらに真っ当な敬意が表されている点も意義深い……かは知らんけど、ネタを調べなくても耳にしてハッとなる人が普通に楽しめばいいタイプの爽快盤だ。