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ビートたけしが紅白で聴かせた“浅草キッド”の魂の熱唱に、その生き様を見た

ビートたけしが紅白で聴かせた“浅草キッド”の魂の熱唱に、その生き様を見た

いきなり個人的な話で恐縮ですが、大みそかは友人宅で昼から酒を飲み、年が明けてからは年末にレンタルしたドラマ「早春スケッチブック」(83年)を一気観したため(山崎努最高)、これから書くテレビ番組についての感想はすべて録画したものを後日鑑賞したものになります。

サザンオールスターズが終盤ド派手に盛り上げた2018年の「NHK紅白歌合戦」もよかったですが、2019年末の「第70回 NHK紅白歌合戦」も忘れられないシーンが次々と誕生。特別企画枠で初の〈紅白〉出場となった竹内まりやは、客前ではなく別スタジオでの歌唱でしたが、近年特に顕著となりつつある〈大いなる人間力〉を前面に出したパフォーマンスが感動的でしたね。

しかし、なんといってもビートたけしによる“浅草キッド”は外せない。おそらく全出演者中もっとも地味な服装とシンプルなステージでの歌唱でしたが、たけちゃんの生き様が反映した歌声に多くの人がノックアウトされたのではないかと思います。

また、歌の前に総合司会の内村光良が“浅草キッド”への想いを、声を震わせながら語るシーンもよかったし、事前に収録されたインタビュー映像で、同時期に切磋琢磨したほかの芸人仲間を差し置いて自分だけ売れてしまったことに対する罪悪感を、たけちゃん自身が口にしていたこともグッときた。残念だったのは、フル・ヴァージョンでの歌唱ではなかったことくらいでしょうか。

今回のパフォーマンスにやられた人はぜひとも、アルバム『ゴールデン☆ベスト ビートたけし シングルA面コレクション』を聴いてもらいたい。“浅草キッド”(86年)はもちろん、“OK!マリアンヌ”(82年)、“抱いた腰がチャッチャッチャッ”(84年)などをパッケージした同作。なかでも、作詞:北野武、作曲:玉置浩二による名曲“嘲笑”(93年)はとにかく泣けますよ!

ビートたけし ゴールデン☆ベスト ビートたけし シングルA面コレクション ビクター(2015)

と、長々とビートたけし好きの感想を書いてきましたが、たけちゃんが出演した年末年始のテレビ番組でベストだったのは、12月28日の深夜にTBSで生放送されたネタ見せゴングショー「ビートたけしの公開!お笑いオーディション」でした。ここでのたけちゃんは、昨年なにかと話題を集めたテコンドー協会のあの人のコスプレをして、やりたい放題言いたい放題。ハリウッドザコシショウによる禁断の〈カツラ〉ネタに対して、顔をクシャクシャにしながら爆笑するたけちゃんでしたが、この数日後にNHKホールで魂の熱唱を見せるとは。ここでも通称〈振り子の理論〉を実践するビートたけしってやっぱりすごいですね。以上。

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