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聴く人に寄り添えるグループ

――そして初めてのシングル“にんげん”が出来ました。佐藤カズキ(T.S.I)さん作曲で今回もエモーショナルな作りですね。

パン「曲調がめちゃくちゃ壮大で」

ユメカ「うん、木漏れ日が射してる部屋みたいな綺麗な音が多くて、しかもAメロBメロはけっこう低いんですけど、サビが凄く高いのでやる気が出るっていうか、歌ってて感情が入りました。伝わりやすくてカッコイイ曲だなって」

パン「渡辺(淳之介)さんに作詞していただきました。人間は挫折を繰り返すけど、何回だってチャンスがあるし、やり直せるよっていう、聴く人に寄り添える内容で、そういう部分はアルバムからも繋がってるというか、“やさしい世界”とかと通ずるものがあるなって」

――CARRY LOOSEに向けた詞でもあり、万人に届く内容でもありますね。

パン「苦しいことのない人っていないじゃないですか。だから、どんな人にも刺さると思うし、やっぱり渡辺さんはその時々のグループに合った歌詞を書いてくださっていて。個人的にはまだ前のグループからのことを言われてるようにも感じて、サビの部分は特にグサグサッと刺さりました」

ウル「サビの〈やることだけはやってみようって みんな簡単に言うけれど やればできる そんなことは 当たり前なのかな〉っていう歌詞が、凄く飲み込めて。小学校の時とか、自分がめっちゃ練習してがんばったことを簡単にできちゃう子っているじゃないですか。そういう自分なので、ここの歌割をいただいて、やっぱり自然と感情がこもりました」

YUiNA「同じサビの〈後悔だけはしちゃいけないって いつも簡単に言うけれど 本当みんなしないなんてありえるかな?〉っていうのが共感できる部分で。私は後から反省とか後悔することが多いんですけど、みんな後悔しながらも自分が選んだものを信じて進んでいくんだなっていうか。あと、〈何回もできる〉の一言はやっぱり刺さって、自分もがんばろうと思えたので、聴く人にも励ましになる曲になったらいいなって思います」

――はい。カップリングの“23:59”は井口イチロウ(T.S.I)さんの作曲で、こちらはウルさんの作詞。

ウル「これは、自分が絶望してた時に人に言ってもらったこととかを思い出して書きました。去年の合宿オーディションの後にそのまま壱岐でみんなでBBQをしたんですけど、合宿が終わって、私は永遠に泣けそうなくらい勝手に暗くなってて、でも、悲しい顔はしちゃいけないと思ってて。そしたらサアヤイト(WAgg)が部屋に来てくれて、〈いま我慢したらずっとウジウジすることになるから、いま泣けるだけ泣いちゃったほうがいいよ〉って言われて。〈泣けるだけ泣けばいいよ〉っていうのはそこからだったり」

――それはサアヤイトさんが凄いですね。

ウル「ですよね。ガキな部分もめっちゃあるんですけど、たまにそういうことをしてくるんです(笑)。あと、〈間違えてもそれでいいよ〉っていうのは、〈何が正解かわからないし失敗するのが怖い〉っていう話を渡辺さんにした時に、〈間違えても自分が信じることをやってみたほうがいいし、間違ったらまたそこで考えればいい〉って言われた言葉からですね」

――いろんなモチーフが合わさって。

ウル「はい。いっぱい考えて書きました」

パン「そのエピソードはいま初めて聴いたんですけど、ウルちゃんの歌詞は言い回しが凄くて何か自然に泣いてしまうし、これも共感できるところがたくさんあります。〈明日への絶望と期待〉って、こういう言葉にできるのが素晴らしいなって思うし、最後は希望をもらえる歌になってるなって思いました」

YUiNA「“23:59”なので、〈明日〉がキーワードになるのかなって思います。ウルちゃんの歌詞はCARRY LOOSEの武器だし、この曲もさっきパンちゃんが言ったみたいな聴く人に寄り添える思いやりがあって。これからそういうグループになろうという意識を持っているので、これも凄く大事な曲になってくるなって思います」

ユメカ「良い歌詞! ウルちゃんは凄い!」

ウル「思ってない、思ってない(笑)」

ユメカ「めっちゃくちゃ思ってる! しかも〈悲しいことがあってさ 立ち直れなくてさ〉って語尾に〈~さ〉が付いて、私に語りかけてる気がするっていうか、グッときました。聴く人もそう感じると思うので、早くみんなに聴いてほしいです」

――はい。そんな新曲も披露されそうなWACKツアーが2月から始まって、今年は本格的に忙しくなりそうですね。

パン「はい。WACKツアーは全グループが出て、私たちの前後にデビューしたBiSと豆柴の大群という、とても勢いがあるグループもいるので、私たちもツアーまでに自分たちらしさを固めて、他のグループと勝負できるくらい強くなるっていうのが目標で。もうひとつ、CARRY LOOSEは何で勝負するかといったら、楽曲のノリだけじゃなく、やっぱり詞を届けるのも大切だということを今回のシングルでより思ったので、そこをちゃんと届けられるようなパフォーマンスを極めていきたいです」

YUiNA「やっぱりWACK自体の知名度がまた上がっているなかで、CARRY LOOSEを知ってもらえる機会でもあるので、知ってもらった時にカッコイイって思われるようなグループでありたいです。絶対的な自信をちゃんと持ってWACKツアーに挑みたいなって思ってます」

ウル「ファンになってもらった人が、〈この人たちはこういうグループで、こうだから好きなんだよ〉みたいな説明を簡単にできるような、CARRY LOOSEの色を新年はしっかり提示したいです。私たちも自信をつけて、ファンの人にも自信を持ってもらえるようなグループになりたいです」

ユメカ「私はこの前〈ユメちゃんみたいなアイドルになりたいんだ〉って初めて言ってくれた子がいて、しかも泣きながら言ってくれたんですよ! だからもっとそう思ってもらえる年にしたいです。2020年はみんなのビタミン剤になります! 頭痛も! 腹痛も! 観たら治っちゃうみたいな!」

――わかりました(笑)。で、WACKツアーの後には合宿もありますね(取材後にウルウ・ルの参加が決定)。

パン「はい。何が起こるかわかんないですけど、何が起きても微動だにしないというか、CARRY LOOSEというグループの壊れない土台を作っていきたいなと。今年はもっといろいろな場所に行くと思うので、全国各地に種を蒔いて、2020年が終わる頃には、そうやって場所を外した意味を作れるようにしていきたいです」