止めどない感情と叶えたい願望は巡り巡ってここに辿り着いた。それぞれの再始動を束ねた新しいひとつの物語――WACKの新グループがいよいよデビュー!
脱力した〈ゆるくはこんでください〉という名の下に、WACKの新グループがいよいよ姿を現しました。5月に第2期BiSの解散を経験したパン・ルナリーフィとYUiNA EMPiRE、研修生ユニットのWAggから昇格したウルウ・ル、そしてオーディションで選ばれたユメカ・ナウカナ?の4人組、CARRY LOOSE。真新しいグループではあるものの、それぞれ背負うものがあってスタートラインに立っていることは言うまでもありません。T-Paletteからいきなりフル・アルバム『CARRY LOOSE』でデビューし、これが正真正銘の初取材だという4人に、諸々の経緯も含めて話を訊きました。
今度こそやってやるぞ
――まずは……解散した2期BiSをいま振り返ってみてどうですか。
YUiNA EMPiRE「やっぱり最初は悲しい、信じられないって気持ちでした。BiSは歴史を繋いできたグループだと思うので、その一員として〈何が残せたのかな?〉とか考えてしまったりして」
パン・ルナリーフィ「けっこう日にちが経ってはいるんですけど、完全に円満な解散というわけではなかったし、やりきれなかったこととか……人間はやっぱり後悔するじゃないですか? そういうのが積もり積もってしまって、BiSを見れない……別にいまの3期BiSのメンバーがどうとかじゃなくて、〈BiS〉という存在に向き合えない時期はありましたね」
――そう簡単には消化できなくて。
パン「そうですね。なので、いまは自分の中にあるBiSへの気持ちもうまく活かしながらCARRY LOOSEとして進んでいきたいなって。いきなりの解散でお客さんのほうが驚いたと思うし、悲しい気持ちにさせてしまったので、今度こそ……って言ったらアレですけど、そういう人たちとも一緒に新しい道を見ていきたいなって思います」
――言葉にするのは難しいと思いますが、具体的な後悔が残ってるってこと?
YUiNA「はい。渡辺(淳之介:WACK代表)さんにもずっと言われてたんですけど、確かにメンバー同士が深くはわかり合えてなかった部分があって、もっと互いに興味を持ってたら、悩みとかも話せてたんじゃないかなって」
パン「うん、〈あの時こうしてれば〉っていうのはたくさんある。でも私たちがいまからできるのは、BiSがめっちゃ薄くなるぐらい、私たちがCARRY LOOSEで活躍して、他のメンバーもそれぞれの道でがんばって、後から〈この人たち昔一緒にやってたんだ!〉って驚かれるぐらいになることしかないので、〈やってやるぞ〉という気持ちです」
――BiS解散後もWACKで活動を続けるのは自分で決めたんですか?
パン「はい。まず、その時点ではWACKに残っても何ができるかわからないけど、その間に毎日作詞をするっていう課題をやり続けて、気持ちとか行動次第で何か活動できるかもしれない。それでもいいなら残っていいよっていう話を全員されてて」
――映画「IDOL-あゝ無情-」ではYUiNAさんが〈もうやらない〉って話す場面もありましたね。
YUiNA「言ってました。その時はホントに頭が整理されてないまま、その場の感情で発言しちゃってたんですけど、実際にどうするかも悩んではいました。〈この日までに決めてね〉って言われてた締め切り日の、夜の11時50何分とかギリギリまで、めっちゃ考えて(笑)」
――本当にギリギリ(笑)。それでも残ることを選んだのはなぜでしょう。
YUiNA「自分勝手かもしれないけど……ここで終わってしまうことに諦めがつかなかったし、やっぱりWACKが好きで、ここでがんばりたいと思ったからですね。それで〈続けさせてください〉って」
パン「私は最初から残る選択肢しかなかったです。BiSでやりきれずに終わってしまったので、もし他の場所で活動させてもらえたとしても、自分は〈BiS〉に勝つことしか見れなくなってしまうと思って。これは私個人だけの話なんですけど、心にBiSがあるくせに他に行くみたいなことができない性格なので、だったらもうその存在にいちばん近い場所にいるしかないし。それに、もともとWACKに入りたくて入ったから」
――そこの部分はブレなかった?
パン「そこは変わらないです。〈WACKで活動したい〉っていう気持ちは第一にあったし」
――では、続けることを決めてから、二人は主に作詞の課題をされてたわけですね。
YUiNA「はい。解散した次の日からすぐ音源が送られてきて、ほぼ毎日それに詞を付けるって感じでした。聴いたことのないデモだったんですけど、それが3期BiSのアルバム曲だったっていう(笑)」
――うわ~、エグい(笑)。
YUiNA「〈凄いカッコイイ曲だね〉みたいにみんなで話してたら、後からBiSの曲が公開されて、〈これ聴いたことある……あっ、課題の曲じゃん〉みたいな。でも、渡辺さんの作詞と自分が書いて送ったのと比べてみて、〈ああ、やっぱり凄いな〉とか考えられたのがおもしろいなと思いました」
やっぱりアイドルがしたい
――そこからウルウ・ルさんを含めて3人でカレールーず(仮)結成が発表されました。あの仮称は何だったんですかね?
パン「そこは私たちも知らなくて。情報解禁の時にとりあえずその場で仮の名前を渡辺さんが2秒ぐらいで決めたっていう」
ウルウ・ル「〈ルーズ〉っていう単語を入れたいみたいな話でした」
ユメカ・ナウカナ?「初めて聞いた!」
――馴染んでしまいそうでしたけどね。
パン「最初はちょっと〈何で?〉って思ったけど、愛着湧きましたよね、意外と」
――結成は3人同時に知らされたんですか?
YUiNA「私とパンちゃんが先に聞いてて、その時はまだウルちゃんには伝えてないみたいな感じでした」
ウル「私はたまたま練習に来た時に急に言われて。嬉しかったです。驚きが凄くて」
パン「それからは週1で集まりつつ、WAggが2期BiSの曲をやってるので、私とYUiNAがその振りを教えたり、曲の意味とかを伝えにいくということをしてたんですけど、それだけじゃアレなんで、私たちも他のグループの曲を覚えてWAggのみんなと練習したり、あとはWACKの企画みたいなのもあって、意外に会ってました」
――そういう練習やお仕事以外では?
YUiNA「一度だけファミレスに行きました(笑)」
――一度だけ(笑)。グループの展望みたいなものは話したりしてましたか?
パン「まだ3人だった頃に、自分たちで〈こういう雰囲気にしたいね〉みたいな理想を話したり」
YUiNA「うんうん、そのファミレスでもけっこう話した(笑)」
ウル「みんな〈カッコ良くなりたい〉っていう、そこは共通点でしたね」
パン「そう、あとは楽曲やライヴから知ってもらうのはもちろんですけど、SNSにも強くなって、そこからバズって〈女子にも好かれたいね〉っていう話をしてましたね」
――ちなみにWAggで活動してた頃のウルさんは先輩としての2人をどう見てましたか。
パン「え、気になる」
ウル「WACKのイヴェントでかくれんぼをしたことがあったんですけど、そのときパンちゃんと一緒で、最初は怖かったんですけど、かくれんぼ一緒にやったら〈怖くない人だ〉と思って(笑)」
パン「でも、あるあるなんです。私も人見知りだから話したいけど話せなくて、そしたら話してこない怖い人って思われちゃう」
――そこはがんばってください。
ウル「あ、あと、それより前にWAggの練習にパンちゃん来てくれたことがあって」
パン「ああ、めっちゃ覚えてるよ。WAggのお披露目前とかだよね」
ウル「そう、その時期に私が何かよく泣いてたんですけど、〈よく泣いても、別にそれがその人の個性になるからいいんだよ〉みたいに言ってくれて、凄いと思って」
パン「そう、自分もよく泣くから(笑)。そんなの覚えててくれたんだね」
――YUiNAさんについては?
ウル「YUiNAちゃんは誕生日が一緒で。自分の誕生日なのに、私のこと祝ってくれる優しい人だなって」
YUiNA「そうだね。リプを送った」
ウル「でも私がめっちゃ人見知りなんで、前はあんま話したことがなくて。いまはみんな優しいなって思っています(笑)」
パン「人数が少ないのもあって、いまは自分の意見をみんな言えるような空気を作れてるんですけど、もともとみんな内弁慶っていうか人見知り系なので。まあ、この子は違うんですけど(笑)」
ユメカ「エヘヘヘ」
パン「ユメカがめっちゃ明るいので空気が変わります。ムードメイカーみたいな」
ウル「声がデカくて」
パン「そう、声がデカい(笑)」
――デカいです。では、ユメカさんがオーディションを受けたきっかけを教えてください。
ユメカ「ずっとアイドルがしたかったんです。で、私はギターを弾くのでバンドの音楽も好きなんですけど、WACKの音楽を聴いたらもう身体が震えて、何か響いて。で、それでWACKに入りたいなって思った時にちょうどオーディションがあったので、絶対入りたいと思ってがんばりました」
――アイドルネッサンスで活動されてきて、解散後もいろいろ挑戦されてたじゃないですか。その間にあったWACKの他のオーディションにも応募されてたんですか?
ユメカ「WACKは初めてでした。一回ちょっと普通の生活を送ってみようとした時期があって、部活でギターを弾いて歌ってたんですけど、やっぱり物足りなくて。私はみんなの前で何かがしたいんだなって気付いて。で、〈やっぱりアイドルがしたい!〉って思ったタイミングで受けました」
――自分ではどこが評価されたと思いますか?
ユメカ「何だろう。思いがけないことをするところ? 私はいままでUFOに2回遭ってるんですよ。それってやっぱ普通は見ないかな~と思うし、何か電波を発信してるのかなって。そういうとこですかね(笑)」
――どうなんでしょう。最初に4人で顔合わせした時の第一印象はいかがでした?
パン「3人が静かな感じなんで、普通この空気に呑まれるじゃないですか? でも流されずに、最初から声がデカくて、ステラおばさんのクッキーを〈どうぞ!〉ってみんなにくれて〈素晴らしい子だな〉って思いました」
ユメカ「褒められました(笑)。でも私も緊張しまくってました。Twitterとかライヴ映像でしか観たことがなくて、友達にも大好きな子が多くて〈その人たちに会ってる!〉って思ったら、脳味噌がよくわかんなくなって。しかも、初めて会った日にパンちゃんが泣きながら登場みたいな(笑)」
YUiNA「そうだったね」
パン「タイミングが悪くて、自分のメンタル的な周期にたまたま当たってしまって、しかもアルバムの作詞もその時期やってて、自分の言葉が出てこない焦りみたいなのもあって、家出た瞬間からずっと泣いてたんですよ。ホントに申し訳なかった」
ウル「そう、私もビックリした(笑)。それを当たり前のようにYUiNAちゃんが慰めてて。〈何事だ?〉って」
ユメカ「クッキーを出していい空気なのかドキドキして、でもがんばりました(笑)」
パン「ありがとう」
――ともかく、顔合わせの時点でもう曲があって、作詞にも取り掛かってたんですね。
パン「そうです。顔合わせは〈TIF〉ぐらいの時期だったんですけど、その前にはもうデモをいただいてました」
いろんな気持ちになれるアルバム
――で、それが今回のデビュー・アルバム『CARRY LOOSE』になりました。
ユメカ「嬉しいです」
パン「初のアルバムなのでホントに嬉しい。SCRAMBLESのT.S.Iさんに全曲をプロデュースしていただいていて、やっぱカッコイイなって。BiSとはまた違う曲調というか、私がいた頃のBiSは、けっこうガンガンに強めのロックがメインで」
――パンさんが入って以降のBiSはシングルだけでしたからね。
パン「そうです。それもあると思うんですけど、『CARRY LOOSE』は優しい曲もあったり、歌詞で気持ちを伝える系も多くて、ノリだけじゃなくて、ちゃんと曲を伝えるアルバムというか、そういう曲もたくさんあるなって思ったので、良い意味で想像と違ったし、自分にとっては新たな挑戦だなと思いましたね。あと、BiSの頃は作詞する機会があんまりなかったので、初めてたくさん作詞をやってみて、曲に対する気持ちが変わりました」
YUiNA「最初から13曲もいただけるのって、凄い嬉しいことだなって思ってます。1曲目の“やさしい世界”から、凄い落ち着ける曲っていうか、同じバンド系の音でもいままであまりやってなかった曲調かなって思いますね」
ウル「盛り上がる曲もあるし、落ち着ける曲もあるし、感情を表現する曲もあって、全部聴いたら、すっごいいろんな気持ちになれるアルバムだと思ってます」
ユメカ「まず、以前に歌ってた曲とは歌い方から全然違くて、学ぶことが多すぎました。みんなのレコーディングを見てても〈うわ~、こうするとおもしろくなるんだ〉とか思ったりして。出来上がった曲を聴いても、自分の声はバックの音に負けちゃったりするけど、みんな迫力が凄くて聴こえるものが全然違うので、もっとがんばって、まずは同じ場所に立てるようになんなきゃいけないなと思って、ずっとお家で歌ってます」
――レコーディングのディレクションも松隈(ケンタ)さんではなくT.S.Iの皆さんが行われたんですよね。
パン「そうです。けど、レコーディング中の雰囲気だったりアドヴァイスだったり、松隈さんの進め方と基本的には一緒というか、SCRAMBLESさんの社風なのかなって。松隈さんもレコーディング前にSkypeでお話してくださって嬉しかったです」
――ウルウ・ルさんはレコーディング自体がほぼ初めてになりますか。
ウル「そうです。息の量が多いって言われるんですけど、例えば“WEATHERCOCK”のレコーディングでは〈その息の量を全開まで多くしちゃっていいよ〉って言われて歌い方を変えてみたりして、いままでにない曲になったなと思いました」
――その“WEATHERCOCK”も含め、ウルウ・ルさんが3曲を作詞されてます。もともと何か書いたりするのは好きなほう?
ウル「そうですね、何か国語の成績だけは人より良くて、言葉を書くのとか好きで。思ったことがあったらiPhoneのメモのところにすぐ書いたりします。得意ではないけど、書くのは好きです」
――それこそ冒頭の“やさしい世界”とか凄い深いなと思いました。
ウル「結局どういう人生を送っても最終地点は一緒だなと思って。こういうアイドルとかも若いほうが価値があるように言われがちじゃないですか? でも、そんなものより年を経ても良いって言われるもののほうが価値があるなって思って書きました。それだけじゃなくていろんな気持ちが何個も入ってるんですけど、別に〈やさしい世界〉があると思ってるわけじゃなくて、例えば、満員電車とか駅とかでぶつかっても謝らない人がいて、謝られなかった人も次から謝らなくなって……みんなが優しくないと〈やさしい世界〉にならない。でも私も優しくないし。だから、そんな世界はないんです。けど、あったらいいなっていう感じです(笑)」
――曲の渋い雰囲気とも合っててメチャクチャ良いなと思って。〈河原流れ着いた拳銃〉って凄くない?とか思って。
ウル「あ、そこだけ渡辺さんに直してもらいました(笑)。私は〈漫画〉って書いてたんですけど、漫画は錆びないので、拳銃になりました」
――ああ、聞きたくなかった(笑)。
ウル「ああ、言いたくなかった(笑)」
――もう1曲の“pretender”も含めて、こういう俯き加減な言葉がウルウ・ルさんっぽいのかなと勝手に思いました。
ウル「そうですね、〈面倒臭い〉ってよく言われます(笑)」
――一方でユメカさんは2曲作詞されてますけど、特にテクノ・ポップ風の“たんたかたんたんたん”は曲調も含めて雰囲気が全然違いますね。
ユメカ「ですね。“たんたかたんたんたん”は宇宙人とバイバイする話なんですけど、もう1曲の“ツメも君も”も宇宙人と自分の話なんですよ。宇宙人が〈君〉で、お別れした切ない気持ちを書いてます」
YUiNA「繋がってたんだ?」
――これは実際に見たUFOの話ですか。
ユメカ「そうです、実話を元に。実際は話してないんですけど、気持ちで繋がったんですよ」
――そうなんですね。
パン「ヤバイな」
ウル「私もUFO見たことあって……」
パン「ダメだよ!」
――アハハハ。で、パンさんは“ERASE and REWRITE”を初めて作詞されてます。
パン「はい、消して書いて」
――これはまあ、いまのパンさんにしか書けないというか。
パン「その通りですね。まあ、〈戻せない過去〉のことを言ってるんですけど。あの頃は自信を失ってたんですね。でも、ここからプライドを掴んで未来に進んでいきたいっていう気持ちを込めてます」
――はっきり伝わってくると思います。
パン「はい。提出した全部の曲が同じ感情でガッと書いちゃう感じになっちゃったんですけど、ちょっと苦手ながら、これは気持ちを伝えたいなと思って書きました」
――そして残念ながら今回YUiNAさんは作詞の採用がなく。
YUiNA「そうなんですよ。課題も毎日やってきて、これが本番というか、〈よし、課題の成果を〉みたいに思ってたんですけど、ちょっと言葉のレパートリーがなくて……次はがんばります」
――はい。で、JxSxKさん作詞の“CARRY LOOSE”がリード曲になります。
パン「はい、これは最初のゆっくりしたメロディーが不思議なカワイイ感じで始まるんですけど、サビとか良い意味でWACKっぽいし、めっちゃ伝えてくるやんって感じで、インパクトが凄いあります。歌詞にもCARRY LOOSEってグループ名が入ってるし、いろいろ意味が含まれていて、とても心に突き刺さります」
――この“CARRY LOOSE”は特にJxSxKさんから皆さんへの言葉というか、パンさんの歌詞に通じる部分もありますけど、〈戻らない過去なんて もう なんか いいじゃん〉って。
パン「はい。それぞれ過去のある4人が集まって、CARRY LOOSEとしてやっていくという気持ちがこもってると思います。でも、この曲だけじゃなくて全部がリード曲みたいなアルバムですね。みんながよく言う〈捨て曲がない〉って感じです」
いろいろな色を付けていきたい
――そして、11月4日には初のワンマンライヴ〈ゆるくはこんでください〉が控えてますけど、その前の11月2~3日にはBiSとの駅伝対決があるんですね。
パン「去年10km走って死ぬかと思って、ホントに人生でもう走りたくないと思ってたんですよ。こんなに早くくると思ってなかった。しかもBiSと対決なんてヤバイ」
YUiNA「絶対負けられないね。別にメンバーを敵視してるわけでもなくて〈がんばれ〉って思う部分もあるけど、負けたくないなって思いますね」
――やっぱり、特にお二人は走れるイメージがあるじゃないですか。
パン「それが嫌なんですよ! 〈走れるじゃん〉って当然みたいに言われるけど、〈がんばってるの!〉って」
YUiNA「もともと走れる人みたいに思われてるのがね」
パン「ね。でも、うちらに負けはないんで」
YUiNA「いまからみんなで走ってます」
――ユメカさんは走れるほうですか?
ユメカ「ヤバイです。短距離よりも長距離派なのでまだマシかなと思うけど、未知な世界なので怖いですね。しかも、その後にワンマンっていうのが、足がガクガクになっちゃうんじゃないかって、不安だらけで」
――対決もですけど、ワンマンが大事ですよね。いまはそこに向けて、振付けとかを練習している段階ですか?
パン「そうです。3~4曲ずつ分けて自分たちで考えてるんですけど、これが良いんですよ(笑)。それぞれクセがあって、ユメカはしなやかカッコイイ系で、ウルのはめっちゃバキバキ踊る感じです。で、YUiNAの振付けは超かわいい」
ユメカ「教え方もかわいい」
YUiNA「パンちゃんのは振りまで何かエモいです(笑)」
ユメカ「“CARRY LOOSE”はパンちゃんが何度も作り直して、めっちゃがんばって考えてくれたので、もう踊ってて楽しいです」
――それぞれが作ってきて、互いに教え合う感じで進めているんですね。
パン「はい。そういうのが初めてだから、みんなで作ってる感じがして、振り入れも楽しいです。やっぱりメンバーみんな経験者だし、まったくの新人グループよりかはお客さんから見た時のハードルも高いと思うんですよ。ってところで、振付けも歌も全部がんばらなきゃいけないなって思って。みんなで高みをめざしてます」
――はい。では、それぞれの今後の目標などを最後に伺っておきましょう。
ユメカ「はい、いまは全然まだ始まったばかりで、まだ何者にもなってないんですけど、また宇宙人が来た時に〈やべえのが地球にいるぞ〉って、ビックリしちゃうぐらいのアイドルになりたいです。具体的なのは、地元が埼玉なので、さいたまスーパーアリーナを埋められるぐらいになるのが夢です」
――まあ、宇宙の後に埼玉って言えるバランス感覚で安心しました。
パン「確かに(笑)。私個人としては、少し前まで後輩みたいな立ち位置でいたのが、急に活動歴が長いほうになったので、それに相応しいくらいの強い女にならなきゃなって思ってます(笑)。グループではさっき言ったみたいにドカンとバズりたいけど、そうなった時のためにパフォーマンスのクォリティーも高くないといけないし、コツコツやるけど凄いスピード感で上がっていかなければいけないと思ってます」
YUiNA「CARRY LOOSEとして同じ目標に向かって、しっかりグループとして4人でまとまりたいです。グループとしての色はこれから活動するなかで見えてくると思うし、活動するなかでいろいろな色を付けていきたいなって思うのと、アイドルに求められてるものというか、時代も変わってきてるのかなって思うので、それに相応して、WACKにもいままでなかったような新しいグループになりたいなって思います」
ウル「まず3人のことを大切にして、問題があってもすぐ解決できるように、何でも正直に言い合えるグループにしたいです。メンバーがいて曲があって、スタッフさんがいてっていう状況が当たり前じゃないっていう感覚をちゃんと持って、周りに感謝を忘れないように。それで、ステージを観てる人に希望を持ってもらえるようなグループになりたいです」