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2. The 1975 “Jesus Christ 2005 God Bless America”

天野「2位は1975の新曲“Jesus Christ 2005 God Bless America”。彼らについては説明不要でしょうね。〈SUPERSONIC 2020〉にヘッドライナーとして出演することも本日、発表されました! この曲は、何度目かの延期を経て、現在は5月22日(金)にリリースが予定されている新作『Notes On A Conditional Form』から、6曲目となるリード・シングルです」

田中「〈PSN〉で『Notes On A Conditional Form』からの楽曲を取り上げるたびに言っていますが、これまでのシングルは、UKガラージ~ダブステップに接近したものや、90年代ギター・ポップ調の曲など、すべてバラバラと言ってもいいほどの多彩な曲調。今回の“Jesus Christ 2005 God Bless America”は、フォーキーなサウンドで新鮮ですね」

天野「素朴なアコースティック・ギターと、郷愁を誘う切ない管楽器の響きが印象的です。後半でソロ・パートも歌う女声ヴォーカルは、なんとフィービー・ブリジャーズ(Phoebe Bridgers)! 彼女の美しい歌声が厳かなムードにマッチしている……というか、フィービーの曲みたい(笑)。それにしても、意味深な曲名だなあ……」

田中「〈私はジーザス・クライストに恋をした 彼はとても素敵なんだ〉から始まるリリックで、フロントマンのマット・ヒーリーが持つキリストへの愛を示していますが、それ以降のラインでは〈男の子に恋をしている〉と続きます。さらに、ブリジャーズのパートでも隣人の少女への恋心が歌われていることをふまえると、同性愛を〈罪〉としてきた宗教へのアンビヴァレントな気持ちを映したものなのかもしれませんね」