「オルタナティヴR&Bディスクガイド」が2024年3月29日(金)に刊行される。
音楽ライターの川口真紀と文筆家/ライターのつやちゃんが監修を務めた「オルタナティヴR&Bディスクガイド」。2010年代以降、R&Bのみならずポピュラーミュージックシーンをも席巻する新潮流〈オルタナティヴR&B〉の作品を中心に、新たな名盤約400枚を一挙紹介している。
本書は、ジェネイ・アイコ、ケレラ、ティナーシェ、ソランジュらに加え、『RENAISSANCE』ワールドツアーの成功も記憶に新しいビヨンセから、本年のグラミー賞で最優秀R&Bアルバム賞を受賞したヴィクトリア・モネまでを取り上げ、R&Bの〈いま〉を見渡す画期的一冊とのことだ。
米英のほかにも、小袋成彬、三浦大知、SIRUP、iriといった日本のアーティストの作品、およびペク・イェリンやRed Velvet、V(BTS)など韓国のアーティストによる重要作も掲載している。
〈ラップするシンガーと歌うラッパー〉〈ノア“40”シェビブ〉〈Y2Kリヴァイヴァル〉など、関連コラムも大充実の内容だという。
さらにフランク・オーシャン(英ガーディアン紙)、SZA(米ニューヨーク・タイムズ紙)の厳選されたインタビューも採録している。翻訳は、押野素子が担当した。
また録り下ろしのインタビュー〈We♡R&B!〉では、R&Bイベントを主催するなど国内シーンの活性化にも尽力するシンガー・aimiが実作者の視点から〈オルタナティヴR&B〉を語っている。
豪華な装画は、SIRUPのアートワークを手がけたことでも知られるペインターのhitchによるもの。
本書の執筆陣は下記のとおり。
アボかど/天野龍太郎/井草七海/奧田翔/押野素子(翻訳)/高久大輝/高橋芳朗/辰巳JUNK/長谷川町蔵/林剛/パンス/Yacheemi/矢野利裕/渡辺志保
ジャンルの限界を押し広げた〈オルタナティヴR&B〉の歴史や重要作品を知ることで、あらゆるポップミュージックにR&Bの要素が取り入れられている現在の音楽シーンの見通しもよくなるはず。R&B愛好家もそうでない入門者も、必携の本だ。
BOOK INFORMATION
発売日:2024年3月29日(金)
ISBN:978-4-86647-248-5
価格:2,500円(税込)
A5・並製・オールカラー208頁予定
目次 *予定
Intro オルタナティヴ、インディ、エクスペリメンタル?──R&Bの新しい波をつかまえんとして 文:川口真紀
■Chapter 1: 2009-15
Column マイケルとクインシーのように──最重要プロデューサー、ノア“40”シェビブの仕事 文:高橋芳朗
Column 溶けゆく境界線──ラップするシンガーと歌うラッパー 文:アボかど
Interview 音楽シーンで最も話題の男、フランク・オーシャン
文:レベッカ・ニコルソン 訳:押野素子(初出:ガーディアン)
■Chapter 2: 2016-18
Column R&Bと非R&Bの狭間で──フランク・オーシャンの『Blonde』はいかにしてジャンル間の壁を曖昧にし、音楽的な革命を起こしたか 文:天野龍太郎
Interview 音楽を辞めかけながらも、いまやグラミー候補となったSZA
文:レジー・ウグウ 訳:押野素子(初出:ニューヨーク・タイムズ)
■Chapter 3: 2019-23
Column ビヨンセが塗り替える「ディーヴァ」の定義──ルネッサンス・ワールドツアー鑑賞記 文:渡辺志保
Column Y2K&R&B──音楽に還流する2000年代の空気 文:つやちゃん
■Chapter 4: 韓国
Column 韓国のメロウでチルなムード──K-R&Bの歩みをたどる 文:パンス
■Chapter 5: 日本
Column 多才/多彩な音楽家・小袋成彬入門 文:川口真紀
Column 日本におけるオルタナティヴR&Bの水脈──内省的でアーティスティックな音楽として 文:矢野利裕
Interview We♡R&B!──シンガー・aimiインタヴュー 聞き手:川口真紀&つやちゃん
Column オルタナティヴは王道になる 文:林剛
Outro
PROFILE: 川口真紀(かわぐちまき)
音楽ライター。横浜出身。大学在学中にライター活動を開始。「blast」「bmr(Black Music Review)」「ミュージック・マガジン」などの雑誌やウェブサイトへの寄稿、ビヨンセ、アッシャー、カニエ・ウェストなどへの対面取材、メアリー・J・ブライジ、キーシャ・コールなどR&Bアーティストのライナーノーツ執筆、AI、JUJU、Utadaなどのオフィシャルライターを担当。プライベートでは一児の母。
X:https://twitter.com/kwgcmk
PROFILE: つやちゃん
文筆家/ライター。音楽誌や文芸誌、ファッション誌などに寄稿。メディアでの企画プロデュースに加え、アーティストのインタビューやコンセプトメイキングも多数。著書に、女性ラッパーの功績に光をあてた書籍「わたしはラップをやることに決めた フィメールラッパー批評原論」(DU BOOKS)等。
X:https://twitter.com/shadow0918