
2022年10月11日、突如発表されたGalileo Galileiの〈始動〉。2016年の終了から、実に7年が経とうしていた時のことだった。ファンは驚いたのと同時に、当然、歓喜にわいた。そんな中、ここについに届けられた新しいGalileo Galileiの〈ファーストアルバム〉である『Bee and The Whales』は、尾崎雄貴(ボーカル/ギター)、岩井郁人(ギター)、尾崎和樹(ドラムス)、岡崎真輝(ベース)の4人だけで音楽を奏でることの喜び、ピュアネスに満ち満ちている。しかし、コインの表と裏のように、そこにはシンプルな喜びに留まらないものも、アルバムには刻まれているのだった。バンドの始動と7年ぶりの新作について、雄貴と岩井に聞いた。

改めて、こんにちは
――Galileo Galileiが始動するというニュースを聞いて、とても嬉しかったです。この7年間、BBHFなどでの活動はもちろんあったのですが、Galileo Galileiの不在を感じる瞬間が多かったんですね。雄貴さんや岩井さんと同世代や下の世代のミュージシャン、リスナーと話していると、頻繁に名前が挙がったんです。そういう声や影響力を意識したことはありますか?
尾崎雄貴「〈他人に影響を与えよう〉というより、〈自分を知ってほしい、理解してほしい〉という思いで音楽をやっていたので、当時は考えていませんでした。
でも今回、色々と取材を受けていて、〈最近、若いアーティストにインタビューすると、Galileo Galileiがルーツだという人が増えている〉とライターさんから聞くんです。それに、〈ラジオ局の誰々さんが好きだった〉とか、〈北海道のテレビ局の方が応援してくれていた〉とか、そういう声も耳に入ってくるようになった。それは、単純に嬉しいですね。その人たちをこれからどう楽しませられるかなと思っているので、〈改めて、こんにちは〉という感じです」
岩井郁人「昔は、むしろ孤独感があったよね」
雄貴「目の前にいるファン以外は僕らに興味ないだろう、知らないだろうと思っていました。ぶっちゃけ、それは今も変わっていない。バンドを終了させるまで、Galileo Galileiは他のアーティストとの交流は少なかったし。BBHFで、やっとそういうことを始めました」
――バンドを始動させても、その感覚は変わらないんですね。
雄貴「たとえば、Hump BackのベースのぴかさんはGalileo Galileiのファンとしてライブに来てくれるのですが、僕は他のファンに対するのと同じ感覚で、いいライブを見せよう、いいアルバムを聴いてほしいとしか思っていないんです。
僕が影響を受けて憧れているBUMP OF CHICKENのライブに先日行き、やっとお会いできたんですけど、BUMP OF CHICKENが音楽を始めるきっかけをくれた事実は、僕の中でずっと生き続けている。それと同じで、Galileo Galileiを好きだと言ってくれる人の顔が見えるようになってきても、特別何かを投げかけたいと思わないし、僕らは僕らであり続けたい、もっといい音楽を作りたいだけ、というのが正直なところですね。
でも、〈Galileo Galileiをきっかけに洋楽を聴くようになった〉と聞くことが増えて、それは意図的に種蒔きをしていたことなので嬉しいんです。〈きっと実らないだろう〉と思ったけど頑張ったことなので、芽吹いてきたのが見られてよかった」
――クリストファー・チュウさん(POP ETC)との友情に限らず、Galileo Galileiは海外のアーティストやシーンへのゲートウェイになっていますよね。
岩井「最近、SNSでは以前から繋がっていたとある海外のアーティストと直接会うことができたんです。僕たちのアルバム制作中に、セッションが実現したんですね。東京のスタジオに集まって僕たちの楽曲をアレンジして一緒に演奏したり、彼の曲たちとマッシュアップしたり」
雄貴「一緒にアレンジしてね。〈どんな感じにしようか〉って話しながら音を出していたら、〈その音、warbearのあの曲のやつだよね〉〈そのサンプル、BBHFのあの曲で使っていたよね〉って、めっちゃ嬉しそうに言ってくるんですよ」
――オタクだ(笑)!
雄貴「僕の歌詞にもめちゃめちゃ詳しくて(笑)。セッションが終わったあとにインタビューを受けたんですけど、感極まって彼が涙を流す場面があって、驚きました。そんなふうに思ってもらっていたなんて、会えてよかったなって。彼と一緒にセッションした曲もいずれ発表できるといいですね。
一方で、僕らの曲がYouTubeで爆発的に聴かれたり、TikTokでバイラルヒットしたりすることはないので、数字には表れないんですよね。みんな密かにGalileo Galileiが好きで、表立って発信してくれないのかなって(笑)。発信してほしいとも思っていないんですけど」

もっと深いところに入っておいで
――たしかに、〈Galileo Galileiが好き〉〈影響を受けた〉という声をよく聞くようになったのは、逆にここ7年のことだったかもしれません。
岩井「そういう意味ではこの7年間、Galileo Galileiの音楽は沈黙していなかったんですよね。
僕ら自身、時代に迎合しなかったし、その時々のサウンド感は意識していなくて、どちらかというとルーツミュージックを愛していたりする。もちろん、最新のヒットチャートに入る音楽も好きなんですけど、時代感と関係なくずっと聴いてもらえる作品が好きだった。そういう姿勢が核にあったことに、この7年があったからこそ気づかされました」
――7年って、忘れられてもしかたないほどに短くない時間だとも思うんです。
雄貴「僕は正直、忘れ去られていると思っていました。始動の発表も〈warbearのライブのアンコールで言っちゃおうぜ〉というノリだったので、〈Galileo Galileiなんてバンドがいたんだね〉というところからスタートするんじゃないかなって。なので、ずっと不思議な気持ちでいっぱいですね。浮かれていないし、メンバーも冷静に今の状況を真正面から捉えている。
僕らを迎え入れてくれた人たちにただただ愛を持っているだけなので、〈みんな、僕らの音楽を聴いてくれてありがとう。これからもっと深いところに入っておいでよ〉としか思っていません。僕としては、〈7年〉という数字にあまり意味はなかったと思います」
――特に“青い栞”などは時と場所を超えて聴き継がれていることもあって、7年間は沈黙ではなく増幅していった期間だったのかもしれません。
雄貴「僕はバンドを続けられなかったから終了させたし、〈7年を置こう〉〈またやるだろう〉とも考えていなくて、実際、始動させようと思ったタイミングまでGalileo Galileiのことなんて頭になかったんです。でも、パッと思い浮かんで、岩井くんに話を持ちかけたことからスタートした。
僕がその間に起こったことでいちばん感動しているのは、7年の間にGalileo Galileiの音楽が止まっていたんじゃなくて、ファンのみんなの人生と一緒に生き続けて成長していたこと。それを感じた時、〈なんて素晴らしいことなんだ!〉と思って。これからのツアーで、それをもっと実感するだろうなと思っています」
4人の狂気に近い喜びが全編に出ている
――では、新作の話に移りたいと思います。『Bee and The Whales』の資料には、〈何にも縛られない自由〉〈共に生きること〉〈喜びの解放〉がテーマだとありますね。
雄貴「僕、言語化するのが嫌いというか、言語化ができないんです(笑)。勘違いされたら嫌だけど、対外的に説明する資料に言葉がほしいと言われて、〈う~ん〉と唸りながら後づけで……」
――ひねり出した?
雄貴「そうです(笑)。アルバムを作ってる時は、本当にノーテーマだったんです。〈Bee and The Whales〉という今のGalileo Galileiを表現する言葉だけがあって、それがアルバムとツアーのタイトルになるのは必然でしたが、それ以外に何もなかったんですね。
〈Galileo Galileiらしいことをやろうぜ〉とも、逆に〈冒険してやろうぜ〉とも話さなかった。〈アルバムを作るか〉と緩やかに始めて、できていく中で驚きがたくさんあったし、どんどん燃え上がっていった制作でした」
岩井「そうだね」
雄貴「結果、出来上がったものを聴いた時に感じたのは、〈あっ、俺たち、嬉しかったんだ。楽しかった、喜んでいたんだ〉ということでした。狂気にも近い〈わーい!〉という喜びが全編に出ている、と思ったんです」
――岩井さんも同じ感覚ですか?
岩井「そうですね。4人でいるととにかく楽しくてしょうがなくて、それがナチュラルに、ありのままに出ていると思います。なかなかない関係性で、言語化できない複雑な繋がりだと思うんですけど、それが雄貴が言う〈狂気〉に繋がってもいて、そういう雰囲気が思いっきり出ていると思います。
今回はプロデューサーも外部のエンジニアもいないし、ディレクターもマネージメント的な立場のスタッフすらいなかった。ギリギリまでスタッフにデモを聴かせなかったくらい、外部の人が入らない4人だけの閉じられた空間で、わんわんスタジオにこもって、通信を遮断して制作していたんです。たとえば、〈この曲はシングルっぽい〉〈これはアルバム何曲目だよね〉と誰かが言うと、それが影響しちゃうんですよね」
雄貴「褒められるのも危険だよね。仮に〈私はこの曲が好きだな〉と奥さんに言われたら、それは僕の中に残っちゃうんです。なので、〈何も言わないで! 私のかわいい子どもたちなのよ!〉って感じで(笑)。でも、周りの人たちは理解してくれて、僕らがデモを送らなくても待ってくれました」
岩井「そういう工程が、〈新しいGalileo Galilei〉というバンドを形作るうえで必要だったんですよね」
――そういう環境を作り上げるのは、なかなか大変なことですよね。
雄貴「今まで色んなスタッフや場所、レーベルと一緒にやってきて、その人たちとの時間はファンには見えないけど、とても重要なんですよね。ただ、僕らはそれを排除しようとしていたわけじゃなくて、〈めちゃくちゃ最高のアルバム作りたい〉という僕の一番の夢を守るためにもがいていたら、周りに誰もいなくなっていただけで(笑)。なので、今の環境をねらって作ったわけではなくて、すごく自然にできたんです。勝手に暴れていたら、すごく素敵な轍ができていたというか(笑)」
岩井「Galileo Galileiの骨組みを作る時、その支柱をメンバー以外のものにしちゃうと、それがなくなった瞬間に崩れちゃうんですよね」
雄貴「そう。それは経験したことがあるから」
岩井「Galileo Galileiという建築物の材料は、メンバーとメンバーの音楽とファンだけで、あとはそこに対する肉づけなんです。そういう純粋さが新しいGalileo Galileiのファーストアルバムには必要だという思いが、みんなの中に無意識的にあって。僕らは好奇心が強いから、今後どう変わるかはわからないのですが」
――でも、大黒柱は揺るぎないと。
雄貴「メンバーがそれぞれ担っている部分があるし、支え合えている。ただの仲良しこよしとはちがう不思議な関係性で、〈音楽を作りたい、それをファンに届けて喜んでもらいたい〉という超基本的な欲求の絆がちゃんとあるバンドなんです。だから、繋がりはものすごく太くて強い。複雑なバランスですが、ちょっとやそっとじゃ崩れないと思います」

実験と感動の手触り
――岩井さんの言葉で気づきましたが、『Bee and The Whales』は新しいGalileo Galileiのファーストアルバムなんですよね。だからこそ、ピュアネスやアンサンブルの喜びが生々しくドキュメントされている。特に、アコースティックギターの響きが印象に残ります。
雄貴「アコギは岩井くんが主に弾いてくれて、僕はどう弾いてほしいかを注文していました。〈そこはニール・ヤングで! そう! そこはニール・ヤングやめる! 次はこう!〉みたいな(笑)」
岩井「指揮者みたいな感じでね(笑)。〈下手に弾いてほしい〉って言っていたこともあった」
雄貴「最終的に、〈俺が言ったことは全部忘れて! なんも考えないで弾くか~〉ってなったり(笑)」
岩井「それで言うと、ドラムとべースをほとんど一緒に録ってるんだよね」
雄貴「そうそう。ぶっちゃけ、ベードラ(ベースとドラム)を一緒に録るのって効率的じゃないんです。でも、今回は自然と〈岡崎くんと和樹、一緒に録ったほうがいいんじゃない?〉と感じて。
あと、座って楽器を弾くか立って弾くかで音がちがうから、〈サビは立って弾いてみて〉とやってみたりとか、そういう試行錯誤が楽しくて楽しくてしょうがなかった」
岩井「ね」
雄貴「試したことが音になって返ってくるから。30歳を越えても、ずっとこういうのが楽しくてやってくんだな〜と思いました」
岩井「細かいちがいをキャッチして感動し合えるんだよね。アナログシンセサイザーも全部手で弾いているし、そういう手触りは宿っていると思います」
〈いいじゃん!〉となったらOK
――一例としてタイトルトラックは、カニエ・ウェストっぽいひずみや、フランク・オーシャンの“Good Guy”のようなウーリッツァーが印象的なのですが、中盤でザ・バンドのような土臭い演奏に転換していくのがおもしろかったです。スタジオで楽しみながら出し合ったアイデアがそのまま曲になっていて、〈これが今の自分たちだ〉と表現しているようでした。
雄貴「最後に一曲作らなきゃいけなくてできた曲ですね。岩井くんがエレピを弾いていて、〈僕がリアルタイムでメロを作るから一緒にやろうぜ〉と作り始めました。
ヒップホップの要素がある音楽とかゴスペルっぽいコード感でエレピを弾いてもらっていたんですけど、どんどん形が変わっていって。岩井くんがプロコル・ハルムみたいなオルガンを入れた瞬間、〈これ、ドラムも入れなきゃダメだ!〉と確信して、和樹を呼んで、〈ドラム叩いて!〉ってお願いして」
岩井「〈このへんで一度、びっくりさせたい〉と思ってひずみをかけたら、カニエ・ウェストっぽくなっちゃった(笑)」
雄貴「〈それ、めっちゃいいじゃん!〉って言ってね。岡崎くんも呼んで、〈めっちゃおじいちゃんっぽいベース弾いて!〉と頼んで。結果、こういう曲になりました。僕らにとっては、それでOKなんです」
岩井「〈いいじゃん!〉となったら、それでOK。相反するかもしれない要素をキャッチボールしながらうまく混ざり合わせるのは、僕らの制作のおもしろいところかなと」
雄貴「あと、このバンドのいいところは、楽器に対して変なこだわりがないところですね。僕がベースを弾いてみて、それがよかったら、岡崎くんも〈雄貴さんのベース、めっちゃいいっすね! これでいきましょう!〉と言ってくれる。せっかく録った和樹の生ドラムを最終的に打ち込みにしても、誰も怒らない」
岩井「雄貴がハイハットだけを叩いてみたりね」
――いい意味でプレイヤーとしてのエゴがなくて、それより音楽や作品のほうが大事だという。
雄貴「そうですね。今まで色んなミュージシャンたちとやってきて、〈エゴ〉と言うと語弊がありますが、みんな自分の演奏に誇りを持っているんですよね。でも、それが僕の音楽のやり方には邪魔になってしまう時がある。
このメンバーはそれがないからやりやすいし、お互い自由になれている。僕が書いたメロディが書き換えられても、それがいいものであれば、〈メイド・イン・尾崎雄貴〉じゃなくて別にいいんです。Galileo Galileiという集まりの中から生まれた曲がいいものなら、ファンが〈最高!〉と思ってくれるなら、それでいいじゃんって。そこが、他のバンドとはちがうのかなと思います」

楽しければ楽しいほど影が強くなる
――先ほどの話にあった4人でいる〈喜び〉と対照的に、雄貴さんはそれが終わってしまう〈恐怖〉についても資料のコメントで書かれていました。それも、このアルバムに表れているのでしょうか?
雄貴「そう思います。岩井くんは怖いのが苦手なんだけど、僕らはホラー映画やホラーYouTubeチャンネルがめっちゃ好きで」
――僕もホラーは大好きです。
岩井「僕は好きじゃないです(笑)」
――ははは(笑)。
雄貴「たとえば、〈ゾゾゾ〉ってYouTubeチャンネルの方々が僕らのことを好きで、ライブに来てくれて繋がったんですね。でも、〈ホラーってなんで怖いんだろう?〉と考えるんですよ。
僕は飛行機恐怖症なんですけど、それは自分に生きる力や選択肢が残されているのに、飛行機が落ちてしまったら動けないで死んでしまうからなんです。仮に車が僕に向かってきたら、動いて逃げる選択肢がある。でも、飛行機にはそれがない。僕には子どもや家族がいて、自分が瞬時にこの世からいなくなってしまうこと、そのあとに起こることが怖いんですね。
そう考えた時、反対側に愛とか希望とか、ものすごく強い光があるから、恐怖が存在するんだなと思ったんです。前作の『Sea and The Darkness』(2016年)で僕は闇の中にいたので、恐怖の影のほうを強く描いたのですが、今回のアルバムは光のほう、明るい側にいる。でも、そのうしろには、影が確実に存在しているんです。
制作中にそのことを感じて、終わってしまうことが怖かったから、曲数を4曲増やしたり、何がなんでも時間を伸ばそうとした。楽しければ楽しいほど影が強くなるというのは、僕が考える世界のルールだし、だからこそ生きることはおもしろいんだと思います。
そういう意味で、僕はホラーが好きなんだなと。サウナに入るのと同じで、ホラーを見ると整うんだろうなって(笑)」
岩井「その二面性は、本質的だよね」
Galileo Galileiとして精一杯生きてやる
――自分の人生の終わりは究極的で根源的ですが、幸福な時間の終わりって、たしかにすごく怖いですよね。〈終わり〉を意識することはありますか?
雄貴「僕には子どもが3人いるんですけど、娘のすずめちゃんは心臓病と先天性の疾患を抱えて生まれてくることが、お腹の中にいる頃にわかっていたんですね。〈8割は生まれる前に亡くなってしまうから、棺桶を用意しておくように〉とお医者さんに言われていたんです。
でも、すずめちゃんは無事に生まれてきてくれた。手術も不可能なのでいつ容体が変わるかはわからないのですが、今もお薬を飲んで、呼吸器をつけながら元気に暮らしています。先日、1歳になったんですけど、また1年、一緒に過ごせるかなと思っています。僕らの会社のSuzume Studiosは、すずめちゃんの名前から取っているんですね。
そんなふうに、そばにあって目の前にある一つの生命が終わるかもしれない、という状態で過ごしてきて、僕の中にふんわりとあった〈終わり〉〈死〉というものが、急にものすごく高い解像度になりました。どれだけ大事されていようが関係なく、人って等しく死んでしまうし、その存在はいつかパッとなくなってしまう。その〈終わり〉より僕が先に終わってしまうのは絶対に許されないと思っているから、飛行機に乗ることがより怖くなっています。
すずめちゃんは今、精一杯生きていて、僕も今、精一杯音楽をやっている。〈精一杯生きる〉ってよく言われるけど、精一杯生きるってどういうことかを、すずめちゃんから学んだんです。そんなすずめちゃんのことを切り取りたくて曲を作っているし、生きた証を残したい。Galileo Galileiでチャリティをやりたいな、とも思っています。
『Bee and The Whales』のレコーディング中はスピーカーをすずめちゃんと繋いでいたので、このアルバムの中にはすずめちゃんがいるんですね。〈ふごー〉って呼吸音とか、一人で遊んでいる時の声とかがマイクに入っていたり。メンバーもその状況をすごく理解してサポートしてくれて大事に思ってくれているので、本当にいいバンドだなって思います。
Galileo Galileiは、それができるんですよね。そこがBBHFやwarbearとはちがうなと思いましたし、Galileo Galileiが僕にとって生きること、生きざまなんだなってわかりました。初めてメジャーデビューして、いわゆるヒット曲があるのもGalileo Galileiだけど、僕がGalileo Galileiで全てをさらけ出せるのは、そういう理由なんだなって。それが、めちゃめちゃ強い。だから、Galileo Galileiとして精一杯生きてやるぞって、いま強く思っています」
――私的な話ですが、私の妹も重い先天性の障害があって、呼吸器をつけて暮らしているんです。なので、雄貴さんの気持ちはよくわかってしまうというか……。
雄貴「そうなんですね。なんというか、心臓がバクバクって動いているのは、すごいことなんだなって改めて思いますよね。
そういうことを、変な重たさを持たせずに人に伝えて、シンプルに〈いいな〉と思ってもらえるものを作りたい。それができるのは、僕にとって音楽だけなんです。音楽を通して自分が見てきたもの、衝撃を受けたことを、Galileo Galileiで伝えていきたいんですよね」

メンバーと音楽を生むのは人生とイコールに近い
――よくわかりました。では、岩井さんにとってGalileo Galileiというバンドは、どういう存在なのでしょうか?
岩井「僕は、バンドを脱退したあとにFOLKSというバンドでメジャーデビューしたのですが、うまくいかなくて。ソロをやってもうまくいかなくて、音楽をやめようと思ったんです。
映像の会社を立ち上げて、別の生業で生きていこうと思っていた時に、雄貴が〈BBHFにサウンドプロデューサーとして参加してくれないか〉〈warbearの作品に関わってくれないか〉と声をかけてくれて。ミュージシャンとして一度、死ぬつもりだったのですが、再生を促してくれたのが雄貴だったんですね。
Galileo Galileiに加入する前にソロファーストアルバム(2022年作『タイムマシン』)を出したことも大きかったのですが、もう一つのきっかけが、息子が生まれたことでした。その時に、シンプルに〈死にたくないな〉と思ったんです。そこで音楽をやる意味を再認識したんですね。音楽は、僕にとって生きてきたことの記録だなと。
BBHFにメンバーに近い形で関わっていくという話があったのですが、それは実現せず、でも、Galileo Galileiでは実現した。それはどうしてなんだろうと考えると、そういう流れがあったからだなと思いました。
さっき、雄貴は〈生きざま〉と言っていましたよね。壮大な話になりますけど、Galileo Galileiのメンバーと音楽を生み出すことは、人生とイコールに近いんです。雄貴の娘のことや自分の息子のこと、僕が好きなもの、愛しているもの、守らなきゃいけないものの話をしていく中で、彼らと一緒にいて何か生み出していく中で、強くなれるし、人間として大事なものが育っていく感覚がある。そんな音楽がファンに届いて、長い歳月を経て音楽が成長していっている。Galileo Galileiをやる意味は、そういうことだなと思っています」
雄貴「僕のSNSのDM欄って、ファンレターが届くというより結婚や出産の報告をしてくれる人が多くて、僕はそれがすごく嬉しいんです。〈結婚式でGalileo Galileiの曲を使わせていただきました〉とか。みんなの具体的な人生のことはわからないのに、僕らが僕らのために作った音楽がファンと繋がる瞬間がある。繋がった瞬間に、僕らもぐっと引き上げられる。そういうことが起こるのって、僕は音楽の魔法だと思います。
僕にとってGalileo Galileiの目的は、さっき言ったとおり、〈最強のアルバム〉を作ることなんですけど……(笑)」
岩井「その中で、そういうことが起こるんだよね」
雄貴「うん。どうして〈最強のアルバム〉を作りたいかって言ったら、そうやってたくさんの人の人生と繋がりたいと思っているからなのかなと思います」
RELEASE INFORMATION

リリース日:2023年5月31日
品番:POCS-23032
フォーマット:デジタル/CD
価格:3,520円(税込)
配信リンク:https://virginmusic.lnk.to/GG_BaTW
TRACKLIST
1. ヘイヘイ
2. 死んでくれ
3. 色彩
4. ノーキャスト
5. ピーターへ愛を込めて
6. ファーザー
7. I Like You
8. 汐
9. 君の季節
10. 愛なき世界
11. Bee and The Whales
12. ギターバッグ
13. 花束と水晶
14. あそぼ
INFORMATION
アルバム『Bee and The Whales』リリース記念
Galileo Galilei『Bee and The Whales』SNSシェアキャンペーン
~2023年6月6日(火)23:59まで
https://link.fans/galileo-galilei-bee-and-the-whalessns
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LIVE INFORMATION
Galileo Galilei “Bee and The Whales” Tour 2023
2023年5月31日(水)北海道・札幌 Zepp Sapporo
2023年6月6日(火)東京・台場 Zepp DiverCity (TOKYO)〈追加公演〉
2023年6月8日(木)愛知・名古屋 Zepp Nagoya
2023年6月9日(金)大阪・難波 Zepp Namba (OSAKA)
2023年6月21日(水)福岡 Zepp Fukuoka
2023年6月24日(土)東京・羽田 Zepp Haneda (TOKYO)
開場/開演:18:00/19:00
※6月24日(土)のみ開場/開演:17:00/18:00
■チケット一般発売中
前売り:5,500円(ドリンク代別)
https://eplus.jp/galileogalilei
PROFILE: Galileo Galilei
尾崎雄貴(ボーカル/ギター)、尾崎和樹(ドラムス)の尾崎兄弟を中心に2007年に結成された北海道稚内市出身のロックバンド。2008年の〈閃光ライオット〉でグランプリを獲得して脚光を浴び、2010年にミニアルバム『ハマナスの花』でメジャーデビュー。一時活動拠点を東京へ移すも、2011年より札幌に〈わんわんスタジオ〉を創設し、楽曲制作を開始。リリース毎に幅広い音楽性と支持を獲得し、2014年には渋谷公会堂で初のホールワンマンライブを成功させるなど、ライブバンドとしても注目される存在に。シングル10作、アルバム4作を発表。2016年10月の日本武道館公演にて活動に終止符を打つが、2022年に遂に再始動を発表した。2012年にバンドを脱退した岩井郁人(ギター)を再度迎え、新たにベーシストの岡崎真輝を迎えた新体制で臨む。5月31日には7年ぶりとなるオリジナルフルアルバム『Bee and The Whales』をリリース、同日に開催される札幌公演を皮切りに全国5都市、全6公演のZeppツアー〈“Bee and The Whales” Tour 2023〉を行う。
