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【Pop Style Now】第72回 The 1975の王道ギター・ポップ、フューチャー × ドレイクの最強タッグなど、今週の洋楽ベスト・ソング5

2020年1月10~17日

【Pop Style Now】第72回 The 1975の王道ギター・ポップ、フューチャー × ドレイクの最強タッグなど、今週の洋楽ベスト・ソング5

天野龍太郎「Mikiki編集部の田中と天野が海外シーンで発表された楽曲から必聴の5曲を紹介する週刊連載〈Pop Style Now〉。前回は〈2020年期待の洋楽アーティスト50〉を紹介しましたが、ご覧いただきましたか? まだの方は、ぜひ読んでください!」

田中亮太「〈2019年洋楽ベスト・ソング20〉など、年末から年始にかけて特別企画が続きましたね。レギュラーの回は、約1か月ぶり。最近の洋楽ニュースといえば、ビリー・アイリッシュの件でしょうか」

天野007ことジェームズ・ボンドの新作映画『No Time To Die』の主題歌をビリーが作るんですよね! 僕、007シリーズはほぼ全作観ているくらい好きなので、4月の公開が待ちきれません!! ビリーが主題歌を担当すると聞いて、俄然楽しみになってきました」

田中「いまのポップの象徴的な存在であるビリーの歌が、伝統ある007映画の世界でどんなふうに響くのか、気になりますよね。それでは、今週のプレイリストと〈Song Of The Week〉から!」

 

1. The 1975 “Me & You Together Song”
Song Of The Week

天野「2020年最初の〈SOTW〉は、1975の“Me & You Together Song”! 超待望の新作『Notes On A Conditional Form』から、4曲目となるリード・シングルですね。アルバムの発表はまたまた延期になり、現在は4月24日(金)リリース予定です」

田中インダストリアル・ロック調の“People”UKガラージを取り入れた“Frail State Of Mind”に続いて、今回は爽やかなギター・サウンドが特徴の王道ギター・ポップ・チューン。最初にタイトルを見たときは〈ワナダイズかよ!〉とつっこみましたよ」

天野「2020年になったっていうのに、相変わらずの90年代ゾンビっぷり……。まあ、この曲には意識的に90年代にフォーカスした音ですよね。バンドの最新ヴィジュアルの色味やメンバーのファッション、ブラウン管のTVやソニック・ユースのポスターといった小物の使い方からも察することができます。あざといくらいに(笑)。器用なバンドだと思います。貶してはいませんよ!」

田中「この曲、自分のツボど真ん中なサウンドではあるんですけど、だからこそちょっと複雑な気持ちもあったりします。他のインディー・バンドが発表しても〈ノスタルジックだね~〉と片づけられそうな曲なのに、1975がやると〈ポップ〉になるところがね……。とはいえ、この曲を含めてリード曲の方向性がバラバラなのは凄い。『Notes On A Conditional Form』、いまだ全体像が見えませんね!」

 

2. Future feat. Drake “Life Is Good”

天野「2位はフューチャー × ドレイクという、ラップ・シーンの先頭を突っ走る超大物2人によるコラボレーション・ソング“Life Is Good”。2015年に傑作ミックステープ『What A Time To Be Alive』を作ったコンビが復活。この曲は、その続編からのシングルと目されています。いや~、言葉にならないくらい最高!」

田中「ドレイクがラップする前半とフューチャーがラップする後半と、ビートがガラッと変わる構成がイマっぽいですね。リリックでは、〈既読が付いてるのは知ってる、返信してよベイビー〉っていうラインがドレイクらしくて笑っちゃいました(笑)。ハンバーガー・ショップの店員やパティシエなど、いろいろな〈仕事人〉に2人が扮したビデオも楽しい。フューチャーもドレイクも、2019年はちょっとパッとしなかった感じがありました。2020年はクールな曲で幕開けをしてくれたということで、今年の活躍に期待ができますね!」

 

3. Mura Masa feat. Georgia “Live Like We're Dancing”

天野「3位は、日本でも大人気なエレクロトニック・ミュージックのプロデューサーであるムラ・マサの“Live Like We're Dancing”。本日1月17日にリリースされたニュー・アルバム『R.Y.C』からのシングルです。ムラ・マサと彼の新作については、〈2020年期待のアーティスト50〉でも紹介しましたね」

田中「“Live Like We're Dancing”にシンガーとして参加しているのは、こちらも新作『Seeking Thrills』が評判のジョージア。この曲は、ザラッとしたローファイな音質とキメすぎない生演奏がインディー・ディスコ、ポスト・パンク・ハウスといった趣ですね。ファットなキックがたまりません。ジョージアの透き通るような歌声がサウンドと対照的で、映えていますね! 作風がガラッと変化した『R.Y.C』、熟聴したい一作です」

 

4. Celeste “Stop This Flame”

天野「こちらも〈2020年期待のアーティスト50〉に選出しました。UK、ブライトン出身のシンガー、セレステによる新曲“Stop This Flame”が4位です。ハスキーな歌声とブリティッシュ・ソウルの系譜に連なる生音志向のサウンドから、エイミー・ワインハウスがよく引き合いに出されていますよね」

田中「ええ。個人的には、伸びやかな歌唱にはアデルに近い印象も持っています。この曲を聴いたときもアデルの“Rolling In The Deep”(2010年)を想起しましたし。鍵盤フレーズのリフレインと緊迫したストリングスを組み合わせながら、曲が進むごとに勢いや高揚感をぐいぐいと増していく展開が近いなと思ったんですよね」

天野「セレステはこの曲を〈愛や夢を諦めず、執拗なまでに逆境を乗り越えていくことを歌った〉と語っています。先日は、今年ブレイク間違いなしのアーティストを選出するBBCの企画〈Sound Of 2020〉の1位に輝き、まさに人気爆発寸前と言うべき彼女にとって、所信表明を歌った曲なのではないでしょうか」

 

5. U.S. Girls “Overtime”

田中「今週の最後は、シカゴ出身のメグ・レミによるソロ・プロジェクト、U.S.ガールズの“Overtime”。彼女が2018年にリリースした『In A Poem Unlimited』以来となる新曲です」

天野「『In A Poem Unlimited』は、ダークで実験的なベッドルーム・ポップから、ファンクやディスコを取り入れたポップなサウンドへと方向転換した作品でしたよね。その後のライブでは、8人編成でグルーヴィーなパフォーマンスをしていたとか」

田中「ライブ映像を観る限りでは、シザー・シスターズかってくらいの超パーティーな瞬間もあって、めちゃくちゃ楽しそう……。この“Overtime”も、前作の路線を推し進めた楽曲ですね。軽快なギターのカッティングとパワフルなコーラスを配したゴスペル・ディスコに仕上がっています」

天野「間奏で印象的なサックス・ソロを吹いているのは、ブルース・スプリングスティーンのバック・バンドとして知られるEストリート・バンドの若きメンバー、ジェイク・クレモンズ。この曲を収録した、3月6日(金)にリリースされる新作『Heavy Over Light』には、なんと20人ものセッション・ミュージシャンが参加しているそう。楽しみですね。来日もしてほしい!」

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