トラックメイカーのSUNNOVAをメンバーに迎え、新体制での初作となる3年半ぶりのフル・アルバム。2018年に他界した青木裕のギターの音も用いられ、凄まじい熱量のこもった作品が誕生した。喪失を感じさせるメランコリックなピアノに始まり、やがてホワイトノイズが広がる“コントラポスト”、変則的なリズムの“視界不良”という暴風雨のような冒頭2曲が圧巻で、そこから真骨頂のソリッドなハードコア“good news”に至る流れも完璧。青木ロビンのヴォーカルもいつになくエモーショナルだったり、ときにエディットされたりと、さまざまな表情を見せる。鋼のようなギターが鳴り響くなか、混沌としたラストを迎える“stand alone”まで、人力ビート・ミュージックの極北をさらに更新する傑作だ。