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コラム

映画「パヴァロッティ 太陽のテノール」眩いドキュメンタリーで至福の時間を! 巨匠ロン・ハワードが史上最も成功したクラシック演奏家に迫る

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歌に生き、恋に生き、世界を明るく照らした史上最強のテナー!

 かつてオペラ・シーンがクラシック・ファンの枠を超えた一大音楽イヴェントとしてもてはやされた時代があったことを、若い世代はご存じだろうか。きっかけは1990年のワールドカップ決勝戦前日に、ローマのカラカラ浴場遺跡で行われたひとつの野外コンサートだ。この日、いずれも当時最高の人気を誇る世界的なテノール歌手で、揃って熱烈なサッカー・ファンでもあったホセ・カレーラスとプラシド・ドミンゴ、そしてルチアーノ・パヴァロッティの3人が同じステージに上がって、それぞれが得意のオペラ・アリアを順に披露。その様子は54カ国のテレビで放送されて約8億人が視聴。後日リリースされた、この模様を収録したCDも全世界で1,500万枚以上の売り上げを記録した。そしてこの世紀の競演で、恐らく一般大衆の心をいちばん掴んだテノールは、大きな身体に黒々としたヒゲを生やした親しみやすい風貌で、コンサートのあいだ中ずっと笑顔を絶やさなかった、パヴァロッティだったに違いない。

 彼はその後も、オペラ・ハウス(歌劇場)以外の場所で積極的に活躍を続けていく。特に1991年、ロンドンのハイドパークで開催し、雨が降る中敢行して15万人を集めた野外公演が大きな転機となった。パヴァロッティはそこでダイアナ妃と出会ってすぐ親友になっただけでなく、彼女から〈有名人が世界のために何をするべきか〉を学んだのだ。そして、故郷のモデナで毎年行っている馬術競技大会にジャンルを超えた歌手たちを招き、さまざまな慈善団体を支援するチャリティ・ガラ・コンサートを開催することを計画。これが後に〈パヴァロッティ&フレンズ〉シリーズとなり、1992年の第1回目から10年以上続き、スティングやブライアン・メイ、エリック・クラプトン、エルトン・ジョン、ボン・ジョヴィ、スティーヴィー・ワンダー、セリーヌ・ディオン、マイライア・キャリーらポップス&ロック・シーンの豪華アーティストたちが出演。ライヴ録音や映像も商品化されて人気を呼び、集まった募金の総額は700万ドルを上回った。そしてパヴァロッティは文字通りエンターテイメント界のスーパースターの座に上りつめたのだった。

 映画「パヴァロッティ 太陽のテノール」はそんな、音楽産業の歴史において最も成功したクラシック演奏家(アルバムの売上は、正規録音の38組のオペラ全曲盤を含む、アリア集、宗教作品、ライヴ盤などでトータル1億枚超え、加えて観客総動員数も1千万人超え……)の人生を綴った115分のフィルム。監督は「アポロ13」を始め「ビューティフル・マインド」や「フロスト × ニクソン」、「ラッシュ/プライドと友情」など様々な分野の実在の人物たちを描いた作品に定評があり、音楽ドキュメンタリー映画ではジェイ・Zを追った「Made In America」(2013年)や「ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK」(2016年)に続いて本作が3本目となる巨匠ロン・ハワード。

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