ホット・シェル・レイがブレイクした2011年あたりから予兆はありましたが、ヴァンプスの登場で楽器を持ったボーイズ・バンドにますます注目が集まる今日この頃。その流れに拍車を掛けそうな強力アクトが登場しましたよ。
まずは、マイク・ポスナーの“Please Don't Go”をはじめ、欧米の最新ヒット曲をYouTube上で次々とカヴァーしてファンを増やしてきた、オーストラリア出身のファイヴ・セカンズ・オブ・サマー。今年2月に発表されたインターナショナル・デビュー曲“She Looks So Perfect”が英米でヒットし、このたびのファースト・アルバム『5 Seconds Of Summer』で大化けすることが確実視されています。プロデュースを手掛けるのは、ピンクやチディ・バン作品で腕を振るうジェイク・シンクレア。グリーン・デイやオール・タイム・ロウに心酔してきたというメンバーの意向を汲み、疾走感たっぷりのポップ・パンクを展開しています。なお、アルバムと同タイミングで日本デビューEP『Don't Stop』もリリースされたばかり。ワン・ダイレクション級の大合唱コーラスが青々しい“Reject”ほか、タイトル・トラック以外は『5 Seconds Of Summer』未収録なので、お財布泣かせですね。
続いて紹介するマンチェスター生まれのリクストンも、YouTubeで成功の糸口を掴んだ4人組。クリス・ブラウン“Don't Wake Me Up”のカヴァーがスクーター・ブラウン(ジャスティン・ビーバーやアリアナ・グランデのマネージャー)の耳に留まり、インタースコープからファーストEP『Me And My Broken Heart』でデビューを飾ったところです。アイランド・レゲエ調の表題曲や、エド・シーランを迎えたポップ・ソウル“Hotel Ceiling”など、アーバン志向の強いサウンドが彼らの持ち味で、〈UK版マルーン5〉とも捉えられそう(声質もアダム・レヴィーン似!?)。現在はベニー・ブランコと共にNYでフル・アルバムを制作中らしく、そちらも楽しみでなりません。
ということで、演奏もできて、曲も書けるボーイズ・バンドのブームは、まだまだこれから!
▼文中に登場した作品
左から、ファイヴ・セカンズ・オブ・サマーのファースト・アルバム『5 Seconds Of Summer』(Capitol)、日本デビューEP『Don't Stop』(ユニバーサル)、リクストンのファーストEP『Me And My Broken Heart』(Interscope)
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