2020.06.24

2010年代きっての色男にして隠れた天才、元エジプシャン・ヒップホップのフロントマン(と言って通じる人が今どれだけいるであろう)であったオルダスRH。アルバムとしては2012年の『Misc. Disc.』以来8年ぶり、ジャークカーブなどをリリースしているハンサム・ダッドからのシングル2作もすでに3年前となったいま、ようやくニュー・アルバムを古巣でもあるモシ・モシよりリリースした。

バンド時代を振り返ってみても、デビュー・シングルはレイト・オブ・ザ・ピア―のレーベルからのリリースだし、その後のEPではワープからデビューしたばかりのハドソン・モホークをプロデューサーに迎えていたり、アルバムは意外にもテクノ系の老舗R&Sからだったりと、常にひとつ抜けたセンスを持っていた彼。今作もクレジットを見ると、ウォーペイントのドラマーであるステラ・モズガワやマイルド・ハイ・クラブらが参加。さらに同じくストーンズ・スロウ人脈で、フランク・オーシャンやブラッド・オレンジ、最近ではアヴァランチーズの作品にも関わるジョン・キャロル・カービィーと、さすがの玄人好み&納得のメンツがバックを固めている。

彼が間違いなく敬愛しているであろうプリンスや、シングルでカヴァーも披露していたスティーヴィー・ワンダーといった先人たちへの憧憬を、そのセンスでもって黒でもない白でもない自身のオリジナルへと昇華。派手さのない中にも確かなエッジを秘めた傑作だ。

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