ソランジュやブラッド・オレンジ作品などへの参加で知られるLAの鍵盤奏者の新作は、コスタリカ滞在中に現地の人や音楽、自然からインスパイアされて制作したという。彼らしいアンビエントやフュージョン・テイストを全編に敷きつつも、得意のスピリチュアル感を薄くし、そのままトロピカル風味に入れ替えたようなリラックスした聴き心地が最高だ。モーグ・シンセやフェンダーローズの音色、そして軽やかなフルートがメロディーを紡ぐ楽曲群には現代的なヴァイブと80年代のニューエイジ・ムードを接続したような、無国籍かつタイムレスな響きがある。この夏聴きたい一枚を選ぶならこれ。