覚悟とストーリーが伝わる強力なニュー・シングル!
勇壮なシンフォニー・アレンジやロービットの電子音など、楽曲の中に〈ゲーム音楽〉のギミックをさりげなく盛り込むだけでなく、冒険を通じて自身のスキル/レベルを上げ、同志や宝を得ながらゴールをめざすというRPGのプロセスをアイドル活動に喩えて〈ロールプレイングアイドル〉を謳ってきたラストクエスチョン。2015年春の始動後、1年足らずでファースト・アルバムのリリース、渋谷・クラブクアトロでのワンマン・ライヴと一気にステージをクリアしていった後は、それまでバックアップしていた大人たちが離れ、自主運営でここまでコンティニューを繰り返してきた彼女たち。結成時からのメンバーである〈みっすー〉こと桃井美鈴(勇者)と、〈むぎし〉こと月見むぎ(魔導士)、〈ぐみこ〉こと御坂しのぐ(盗賊)の3人体制となってからは、2年半あまり……。
――RPGに喩えると、現在のラストクエスチョンはどのあたりのステージにいる感じなんでしょう?
みっすー「もう序盤……ではないですよね。去年の5月に渋谷のWOMBでワンマンをさせていただいたんですけど、次はそこを超える800~1000人規模のキャパ、具体的にはZeppでのワンマンを目標にしているんです。そういう意味では、中ボスが出てくるあたりなのかなあって思います」
ぐみこ「誰しもが一度はつまずくであろう中盤あたり。レベル上げとアイテムが大事な時期で」
むぎし「まだ自分たちだけでは乗り越えられないようなこともあるから、頼れる大人の方々をもう少し探していきたいなっていうところでもあります(笑)」
――大変だけど、グループとしては充実してそうですね。この3人の体制になってから、裏ワザを使わず地道にしっかりとマップを進めてきた、つまりはライヴでファンを着実に掴んできたというところでの自負もあるでしょうし。
みっすー「この3人になる前って、ライヴを評価されることってほぼなかったんです。〈ゲーム的なコンセプトで変わったことをやっている〉という感じで、初めて観たときぐらいは〈おっ!〉てなるけど、そのあと〈で?〉みたいな。この3人になってからはライヴに力を入れて、泥臭い感じでやってるので、そのおかげでライヴの評判は明らかに変わったなって思います」
――ライヴでのパフォーマンスはとても逞しいし、いまグループが非常に温まってるなあっていう印象です。そんななかでのニュー・シングル『トライアングル/ラストクエスチョン』ですが、“ラストクエスチョン”はかなり初期の頃にあった曲ですよね。
みっすー「そうですね。4人体制の頃に歌っていた曲だったので一度封印したんですけど、WOMBのワンマンでチケットがある程度の枚数(350枚)売れたら、っていう予告をして、それを達成したので封印を解いたんです。イイ曲ですし、グループ名がそのままタイトルだし、松隈ケンタさんに作っていただいた曲なので、その名前だけで〈聴いてみようかな〉と思ってくれる人がいるかも……っていうことを思うと、ラストクエスチョンが温まってきたいまレコーディングするのが絶好のタイミングかなと思って」
――〈クアトロの そう ラストクエスチョン〉という歌詞はそのままですね。
みっすー「ここは私が歌わせてもらってます。過去を引きずらずに未来を見ようとは思うけど、過去があってこそのいま、未来でもあるので、忘れないという意味でも私が歌っていこうかなって」
ぐみこ「4人で歌ってた曲をいまは3人で。だけど、3人+応援してくれるあなた、+ワンモアを加えてひとつのチームと考えれば、〈クアトロ〉っていう意味にもかけられますよね」
むぎし「最初は歌うのに抵抗があったんですけど、歌詞を読み返してみたら、ここはいまのラストクエスチョンに当てはめるとこうだなとか、いろいろ考えて歌うことができたので、そうですね、改めてレコーディングできてよかったなあと思いました」
――一方の“トライアングル”には、どんなストーリーがあるんでしょう?
みっすー「この3人で3年目に突入する去年の11月に主催ライヴを開いたんですけど、そのタイミングで新曲を聴かせたいなって思っていたときに、ラストクエスチョンのキラーチューンみたいなものが欲しいなってすごく思っていて。それで、以前にも曲を作っていただいたぼーかりおどPさんに相談してみたら、“ラストクエスチョン”が3人の関係性とかファンの人との親和性っていうのを内側からの視点で捉えた曲なので、新曲は外側からの視点で書いてみたい、なんならもう書きはじめてるって言ってくださってて。メンバー、ファン、作家さんや力を貸してくださる方、その3つの点を絆や信頼関係といった線でつないで描いた三角形、それで“トライアングル”という」
ぐみこ「メンバーそれぞれのパートがあって、自分のことを歌っているっていうところがうれしくって。私は、体調を崩して1か月ほど休んだときがあったんですけど、そのことをイイ風な言葉に換えて書いてくださってるところがあって。自分としてはあまりよくない時期でしたけど、一所懸命がんばってもがいて、2人が付き添って支えてくれて、それで戻ってきたっていうひとつのストーリーができたんだっていう、それは歌詞を見てなるほどって思いました」
むぎし「自分たちそれぞれのことを書いていただけた曲なので、ライヴでパフォーマンスするときに、感極まって泣きそうになるぐらい感情移入させられるし、テンションが上がりますね。すごく大切な曲です。いま話してても泣きそう……」
みっすー「〈この子はこういう経緯がある子なんだな〉ってなんとなく伝わる、そのうえで〈これからも3人で進んでいくんだな〉っていう覚悟が伝わりやすい2曲になっているので、いままでラストクエスチョンを知らなかった人たちにも広められたらなって思います」