ファンのジャック・アントノフが、スティール・トレインに続く2つ目のサイド・プロジェクトを始動した。制作陣にヴィンス・クラークの名を確認することができるが、まさにヤズーやイレイジャーにインスパイアされたような、ちょっと体温低めで80sフィーリング溢れるエレポップを展開。本隊のヒット曲に加え、テイラー・スウィフト“Sweeter Than Fiction”やサラ・バレリス“Brave”などの共作者として知られるジャックの堅実なソングライティング・スキルもあって、キラキラ感を強調しながらも骨格のしっかりした楽曲が並ぶ、幅広い訴求力を持った一枚に仕上がっている。作品に仄かなニューウェイヴ臭をもたらす新旧エキセントリック女子、グライムスとオノ・ヨーコの客演も実に効果的だ。