abema TVで発見されてから早2年半、過去の楽曲にバンド・アレンジを施した〈再定義〉3部作をリードに、弾き語りとビート・ミュージック路線を混ぜ合わせて音楽家としての現在地を示したメジャー・デビュー・アルバム。石若駿とマーティ・ホロベックという屈強なリズム隊とセッションをしているかのような“Samidare”が特に素晴らしく、彼のオルタナティヴな感性を残しながら、よりポップ・フィールドを志向した“Undulation”は大きなトライだったはず。一方、“waterfall in me”などは長谷川白紙や諭吉佳作/menといった近い世代と共振するエクスペリメンタルな作風で、この振り幅はやはりおもしろい。ストリングスを用い、スタンダード感のあるバラードに仕上がった“そのままどこか”も印象的。