編集部で毎週書いている連載〈Mikikiの歌謡日〉が週に1曲しか紹介できなくなってしまったので、惜しくもそこで紹介できなかった曲をもっと自由に紹介するコーナー、2021年4月編です。もし何かピンとくるものがありましたら、ぜひ聴いて掘ってみていただければ幸いです。

 

ネクライトーキー “俺にとっちゃあ全部がクソに思えるよ”

最近、誰にしたってなんとなく不安が続く毎日じゃないですか。でもミュージシャンはみんな希望の歌を歌ってくれる。いや中には絶望的な歌もあるし、希望でも絶望でもない歌もありますよ、そりゃ。でもこんな時世だからこそやっぱり〈大丈夫〉って言ってほしいじゃないですか。だからこそのこういう歌詞なんだろうな。動画のコメント欄に歌詞も載っているので、ぜひぜひ読んでもらいたいです。……にも関わらず、こんなタイトルを付けて空中2回転半ひねりくらいさせてしまうこのセンスがネクライトーキーだとも思います。本当に全部がクソに思えます。

 

chelmico “COZY”

レイチェルのお腹がおっきくなってる! 最高の胎教だな~。

 

Omoinotake “By My Side”

すごく音がいいし、サビのアンセム感がたまりません。

 

Start A People “LANI”

ユニット始動から1周年だそうでおめでたいです。不思議な浮遊感のある曲です。

 

崎山蒼志 “逆行”

ちょっと度肝を抜かれるアレンジでした。

 

ぎがもえか “敵わない”

MVにジャルジャル福徳さんが出演している驚きや、下北沢の街並みやライブハウスにしばらく行ってないな~感、TOWER DOORSのブログで知った〈ぎがさんって本名だったのか〉という驚きなど、一聴・一見して曲以外のところでもいろいろ思うところはあるのですが、それ以上に〈敵わない〉って何が何に敵わないんだろう、ということをずっと考えています。動画の説明欄にご本人のコメントも書いてあるんだけど、どういう歌詞なんだろうな。ちゃんと話を訊いて歌詞を読み解いてみたいなって思います。

 

butohes “T.O.L”

連載でイエナガ氏に教わったバンド。初作とちょっとイメージを変えてきましたよね……というかイメージが変わりました。こういう音もあるんだ!って。注目しています。

 

RAKURA “Teenage-Dream”

先日、バンドをやっているという福岡の青年にたまたま出会い、自己紹介をしたら、「え、Mikikiの方ですか? 今度友人の記事がMikikiに出るらしいのでよろしくお願いします」と紹介されたのがRAKURAさん。すごい、若い、歌うまい、英語うまい、元気、かわいい、で絶対もっともっと流行る存在だと思います。

 

日食なつこ “エピゴウネ”

上の青年と同じくらいのタイミングで知り合った俳優で映像作家の恵水流生さんが、日食なつこの少し前の曲のMV(が先月公開されたのにもビックリなのに)をプロデュースしていてまたビックリ。懐かしさと同時に〈初心忘るるべからず〉みたいな言葉が思い浮かびました。

 

Synsavan “今夜、恋にて”

ken akamatsu氏(チャンポンタウン)がキーボード弾いてるというので聴いてみたら、ベースはBREIMEN高木さんだし、めっちゃいい曲。儚い……んだけど、なんか弱々しいやつじゃなくて、強くて芯があるけど、なやつです。きっと最後まで聴くとそれが伝わると思います。

 

kiarayui “春沈 "breezydays" ”

先日kiarayuiさんの絵の個展にふらっと遊びに行って初めてちゃんとお話しをしました。絵も音楽も才能があるって素晴らしいな。春って一番キレイで好きな季節なのにすぐ終わっちゃうからなんだか寂しいです。そんな曲。

 

eijun “あいしてぬ (feat. さかな)”

THE BACK HORNの菅波栄純さん、こんな活動もされてたんですね、ビックリ! めちゃすごなベースはペンギンラッシュの浩太郎さん。

 

和田たけあき “パリラ (VOCALOID ver.)”

こちらは葛飾出身さん繋がりでワタナベタカシ氏のツイートで知ったんだっけかな? 元くらげPとも名乗っていたボカロPの新曲。こういう曲調は人が歌うよりボカロが歌った方がぶっ壊れ感が出ていいのかなと思います。こちらのベースはニガミ17才のイザキタツルさん。

 

Sano ibuki “Genius”

Sano ibukiさんにはこんな曲調の曲もあるんだってまたビックリしました。大事な人と二人でいることの無敵感ってあると思います。

 

ベルマインツ “微熱”

神戸・大阪を拠点に活動する3ピースの新作より。こういうコード感大好物だ。プロデュースは例のイエナガ氏。ドラムスは石若駿さん。最強やん。他の曲もめっちゃカッコいいです。

 

大聖堂 “プロポーズ”

編集部天野くんも推してた4ピースの2作目。まず大聖堂っていうバンド名がずるいし、その大聖堂で“プロポーズ”ですよ。バンド名と曲名がマッチしすぎて逆に検索結果に出ないんじゃないかって心配するくらいですよ。セピア色が思い浮かぶような切なげな歌声が情景を思い起こさせてくれるんです。先日公開されたオフィシャルインタビューも面白かったけど、気になるバンド名の由来までは分かりませんでした……(笑)。

 

Omodaka “Dodarebachi”

〈テクノ民謡〉〈キメラ民謡〉という孤高の道をひたすら歩むOmodakaの新EP『Dodarebachi EP』より。バグパイプの奏でるスコットランド民謡のような音が、和風の音階とギリギリぶつかってるかぶつかってないかの瀬戸際を行っていて、よくそこを融合させた!というめちゃくちゃなカッコよさ……。どなたか分かりますか、このクールさ。クール・ジャパネスク。

 

LD50 “abrasive”

うわっめちゃくちゃかっけえな。3か月連続リリースの第2弾(第1弾は〈歌謡日〉でも紹介しました)。このMVの壮大な設定のババ抜きなんなんすか? めちゃくちゃ気になる。

 

meiyo “↑↑↓↓←→←→BA”

meiyoがコナミコマンドの曲を作ってて、いろんなニュースサイトにも取り上げられてて笑っちゃいました。でもこれがコミックソングみたいになっていないし、ちゃんとmeiyo印があっていいんですよ。

 

ちんぽーず “エモーショナルちんぽ”

最後におまけとして。これも例のイエナガ氏のツイートで見かけて以来、名前からして気になって(自分の気になる曲イエナガとタカシのツイート由来ばかりやないかい)、聴いてみて最初〈あれ? いい曲なの? タイトル詐欺なの?〉と思ったらやっぱりアレな曲で笑っちゃった曲です。大変なことが続きますが、笑えるのはいいことだよね。4月の名曲たちの最後にアンコール的に見ていただけたら幸いです。今月もありがとうございました。