スピッツ“楓”や秦基博“アイ”といった王道J-Popヒットを主に取り上げたカヴァー・アルバム。聴きどころは日本人好みの歌謡性を内包したメロディーが主役の歌声に潜む湿った感触を引き出している点で、どの曲もどこか懐かしい空気感を纏っているのが特徴的だ。言うなれば下町の路地裏に似合うシティ・ポップ集。バカリズムをデュエット相手に迎えたセルフ・カヴァー“Rendezvousin '58”もほっこりしちゃう。