コラム

神保彰、リモートだからこその〈ハズしたアプローチ〉が光る3作品でデビュー40周年を盛大に飾る!

神保彰デビュー40周年を飾る入魂の3作

 2007年よりエレクトリック・バード・レーベルで始まった、神保彰のソロ・アルバム制作。その後13年間の精力的な活動により、その枚数は昨年で27枚に達していた。さらに2018年からはオリジナル・アルバムの2作同時制作リリースが常態となった彼の次なる挑戦は3作同時制作リリース。しかし、NYで予定されていた3つのフォーマットによるレコーディングはコロナ禍の長期化に伴い渡米が叶わず、リモートでの制作に変更された。それに伴い、生のセッションで生まれる特別なマジックを捉えるのではなく、事前に検証を重ねた上での意図的にハズしたアプローチを仕掛けるという手法をとった。その結果、リモートでなければ作り得なかった、リモートならではの面白さを感じ取れる作品に仕上がった。

神保彰 『28 NY Blue Featuring Oz Noy & Edmond Gilmore』 キング(2021)

神保彰 『29 NY Red Featuring Silvano Monasterios & Ricky Rodriguez』 キング(2021)

神保彰 『30 Tokyo Yellow』 キング(2021)

 まず、通算28枚目となる『28 NY Blue』には昨年リリースされた『26th Street NY Duo』で共演した個性派ギタリスト、オズ・ノイ、そしてマイク・スターン・バンド来日の際にリズム・コンビを組んだことのある超絶技巧系ベーシスト、エドモンド・ギルモアが参加。ブルージーでファンキーな世界を表現。『29 NY Red』はジャズとラテンを融合するベネズエラ出身のピアニスト、シルヴァーノ・モナステリオスとプエルトリコ出身のウッド・ベース奏者、リッキー・ロドリゲスを迎え、トリオあるいはピアノとドラムのデュオという形態で情熱的なラテン・ワールドを形成。そして記念すべき通算30枚目となる『30 Tokyo Yellow』は、神保彰によるプログラミングとドラムのみによる完全ソロ、そして初となる完全東京録音。これまでのアルバムにもさりげなく漂わせていたプログラミングの腕前も上がってきただけに、彼の作ったオリジナル曲の中でジャンルの定まらない楽曲をドラム主導で形にすることに成功している。彼がこの1年に書き下ろした100曲から厳選された29曲による、神保彰のデビュー40周年を飾る入魂の3作である。

TOWER DOORS