入門編にオススメ! オリジナルとカヴァーからそれぞれのベストを収録した2枚組
ベスト盤は2010年の『ジンベスト』以来の9年振り。今年、彼の還暦を祝うスペシャルなアルバムである。
「あの時は86年から97年にかけての初期のソロ作からの1枚、05年から09年のキングレコードにおける作品からの1枚、という2枚組でした。今回は07年から19年までのオリジナル・ソロ・アルバム15枚から選んだ15曲を収録した1枚と、5枚のカヴァー・アルバムから選んだ15曲を収録した1枚、という2枚組です。オリジナル・アルバムは時系列でアルバム1枚から1曲という形式になっています」
──選曲やリマスターで気を付けた点は?
「ベスト盤といえども通して聴いていただけるような流れをつけてあります。参加しているコアなメンバーが同じなので既に統一感があり、スムースに選曲できました。マスタリングに関しても殆んど同じエンジニアだったので、あまりいじらずに済んでいます。ただ最近のモノになるほど少しレベルが高めなので、そこを合わせることだけ注意しました」
──12年間で変化したこと、逆に変わらないことは?
「改めて聴いてみると、初期の自分の演奏は若いなと思います(笑)。現在のほうがまろやかな音で、昔のは音の粒立ちが鋭いというか、それが若さなのでしょうね。逆に、曲作りのテイストは変わっていないと思いました」
──作曲、アレンジ、演奏、プロデュースなど全てにおいて100%の神保彰を味わえるのがソロ・アルバム。ソロ活動とその他の活動とのスタンスの違いは?
「ソロと他の活動に特に優先順位はつけていませんが、作曲することと演奏することは僕にとっては車の両輪です。カシオペア3rdやピラミッドでは演奏がメインになりますし、ワンマン・オーケストラでは自分のオリジナル曲はほとんどやらずに、演奏とドラムの可能性を追求することがメイン。その点、ソロ・アルバムは自分の作曲と演奏をバランス良く披露できる場ですね。また同時に、それは自分の現在の実力が試される場でもあります」
まさにソロ名義の神保彰のカタログから選りすぐった曲目で構成されたサンプラーと言えるアルバム。しかもオリジナル・ベストとカヴァー・ベストのカップリングという2枚組は珍しい。
「2枚組で30曲も入っているのに3000円ですから、通常盤と同じ値段でたいへんお買得です(笑)。僕の昔からのファンの方には懐かしく聴いていただけると思います。僕をあまりご存知ない人には入門盤としてお求めいただき、そこから遡ってオリジナル・アルバムを聴いていただければ嬉しいですね」
LIVE INFORMATION
CASIOPEA 3rd/40th Annivesary FINAL、PANSPERMIA Winter LIVE
○12/8(日)16:00開場/17:00開演 東京・メルパルクホール
【出演】野呂一生(g)鳴瀬喜博(b)大高清美(key)神保彰(support ds)
www.handson.gr.jp/concert/
神保彰 ワンマンオーケストラ 2020 -SHIBUYA DE JIMBO-
○1/4(土)14:00開場/15:00開演 渋谷DUO Music Exchange
www.duomusicexchange.com/schedule/2020/index_2020-01.html