キーボーディスト、トラックメイカー、音楽プロデューサー、シンガーソングライター。多彩な肩書を横断しながら独自の音楽世界を築いてきたKan Sanoが、約3年半ぶりにビルボードライブ横浜へカムバックする。

今回の公演は、1stステージと2ndステージで異なるコンセプトを掲げている点が大きな特徴だ。1stステージでは、ピアノインストゥルメンタルで制作された14曲入りの新作『Mental Sketch』を軸にしたソロパフォーマンスを展開。続く2ndステージでは、バンド編成でのライブが予定されている。本稿では、それぞれのステージの見どころについて掘り下げていきたい。


 

ピアノインスト集『Mental Sketch』の世界をソロセットで体現

1stステージで核となるアルバム『Mental Sketch』は、まもなくスタートするKan Sanoのソロピアノツアーのライブ会場限定で販売される予定の作品だ。現在、本作の世界観を体現した約30分にもおよぶ即興演奏の映像が公開されており、その静謐な美しさを味わうことができる。

振り返るとKan Sanoのキャリアは変化と拡張の連続だった。『Fantastic Farewell』『2.0.1.1.』といった活動初期のアルバムでは、キーボーディストとしての卓越した演奏力とサウンドメイクを前面に押し出し、3作目の『k is s』では歌を軸にしたポップスへと舵を切る。さらに2022年リリースの6thアルバム『Tokyo State Of Mind』では、日本語詞に重きを置いたシンガーソングライターとしての側面を強く打ち出してみせた。

また、Kan SanoはUA、Chara、Mrs. GREEN APPLE、SKY-HI、絢香などジャンルも世代も異なるアーティストのライブや楽曲制作にも参加してきた。こうした他アーティストとの活動で多様なサウンドアプローチを身につけていきながら、彼は表現の幅を広げていった。

そんな豊富な経験を経て辿り着いたのが『Mental Sketch』である。本作はKan Sanoが〈ここまで静かなアルバムを作ったのは初めて〉と述べているとおり、これまで広げてきた表現をいったんすべて仕舞い、音と自分に向き合った作品とも言えそうだ。

音数を削ぎ落としながらも確かな存在感を放つ旋律。これまで積み重ねてきたキャリアがあるからこそ成立する、引き算を極めた表現。洗練され、研ぎ澄まされたサウンドがビルボードライブという空間でどのように響くのか。ゲストとして関口シンゴを迎えて奏でる至福の響きを、ぜひこのステージで味わってみてもらいたい。

関口シンゴ

 

ぷにぷに電機らをゲストに迎えたバンド編成での2ndステージ

一方2ndステージでは、バンド編成でのパフォーマンスが披露される。同ステージには1stに続いて関口がゲスト出演するほか、ぷにぷに電機も登場する。ぷにぷに電機とKan Sanoといえば、Spotifyの〈Best City Pop Songs of 2021〉で1位を獲得した“ずるくない?”が真っ先に思い浮かぶ。ぷにぷに電機のスウィートなボーカル、Kan Sanoの煌びやかでソウルフルなアレンジがマッチした同楽曲は、両者の特性を活かしたキラーチューンとあって今回も披露されるに違いない。

ぷにぷに電機

さらに2024年に再びタッグを組んでリリースされた“真夜中はチャイナ・ブルー”のパフォーマンスにも期待したいところ。“ずるくない?”に続いてぷにぷに電機が作詞作曲を手がけ、Kan Sanoがサウンドプロデュースを担当したこの曲は、4つ打ちとラテンという異なるリズムが交差する構成が印象的だ。ポップネスとアダルトなムードが同居するサウンドは、両者の感性が高い次元で噛み合った成果と言えるだろう。

直近では、2025年10月リリースのぷにぷに電機のシングル“虹と”でも両者はコラボしている。ジャズやシティポップを基調としたサウンドに、メロウで伸びやかなメロディ、そしてぷにぷに電機の透明感のある歌声が重なり合う1曲だ。“ずるくない?”や“真夜中はチャイナ・ブルー”が都会的なきらめきを放つ楽曲だとすれば、“虹と”は両者のよりパーソナルな部分が表出したナンバーのように感じる。

2ndステージでは、こうしたコラボ曲がバンド編成のアレンジに再構築されるはず。関口のメロウなギタープレイも加わる可能性があるだけに、こちらも見逃せないセットとなりそうだ。

ビルボードライブという空間でソロとバンド、それぞれの表情を描き分ける今回の公演は、Kan Sanoの音楽性の振れ幅と奥行きをあらためて実感させてくれるものになるはずだ。

 


LIVE INFORMATION
Kan Sano

2026年2月22日(日)ビルボードライブ横浜

1stステージ:Kan Sano(Solo Set)Mental Sketch Solo Piano Tour’26
開場/開演:14:00/15:00
2ndステージ:Kan Sano (Band Set) Special Billboard Live 2026 Special
開場/開演:18:00/19:00
https://www.billboard-live.com/yokohama/show?event_id=ev-21070

■チケット料金 ※飲食代金別
DXシート DUO:17,100円(ペア販売)
DXシート カウンター:8,000円
S指定席:8,000円
R指定席:6,900円
カジュアル センターシート:7,500円(1ドリンク付)
カジュアル サイドシート:6,400円(1ドリンク付)

※本公演はClub BBL会員、および一般販売をWEB受付のみ実施いたします
※法人会員は電話にてご予約承ります

■メンバー
【1stステージ】
Kan Sano(ピアノ)

【2ndステージ】
Kan Sano(ボーカル/キーボード)
Kaco(バッキングボーカル/キーボード)
Manami Otsuka(ベース/バッキングボーカル/キーボード)
Seiya Kudo(ドラムス)

■スペシャルゲスト
【1stステージ】
関口シンゴ(ギター)

【2ndステージ】
ぷにぷに電機(ボーカル)
関口シンゴ(ギター)