写真提供:RVG Studio

不滅のルディ・ヴァン・ゲルダーのレガシー

 2016年に逝去した、ジャズ・レコーディング・サウンドのレファレンスを確立した天才レコーディング・エンジニア、ルディ・ヴァン・ゲルダー。1959年に設立され、あまたの歴史的名盤が録音されたRVGスタジオは、彼の生涯唯一のアシスタント・エンジニアだった、モーリーン・シックラーに託された。ヴァン・ゲルダーの死の翌年ぐらいから、ハイ・ノート・レコードや、ロン・カーター(ベース)、ヒューストン・パーソン(テナー・サックス)、チャールス・マクファーソン(アルト・サックス)らの録音を再開した。そして昨年11月から〈Live From Van Gelder Studio〉と題して、スタジオからライブ・ストリーミングを開始する。第1回は、ジョー・ロヴァーノ(テナー・サックス)、ロン・カーター(ベース)らで、生誕90年のハンク・モブレー(テナー・サックス)をトリビュートした。そして5月15日は、〈The Van Gelder Studio Organ〉と題して現代のオルガン・マスター、ジョーイ・デフランセスコをフィーチャーして配信された

写真提供:RVG Studio

 早熟の天才ジョーイ・デフランセスコは18歳の時、セカンド・アルバム『Where Were You?』をRVGスタジオで録音して以来、2013年にヴァン・ゲルダーに捧げた『One For Rudy』まで、10枚を超えるリーダー作と30作以上のヴァン・ゲルダー録音のアルバムに参加し、深い信頼関係で結ばれていた。「ルディと、数々のオルガン・レジェンドをトリビュートする機会をいただき大きな栄誉」とデフランセスコは語る。1959年のスタジオ・オープンとともに導入されたハモンドC-3オルガンは、デフランセスコによると、今も最高のコンディションを保っているそうだ。この日のセット・リストは、このオルガンを豪快に鳴らしたジミー・スミス、ラリー・ヤング、ドン・パターソン、ドン・シックラーが、晩年のジミー・スミスへ提供したアレンジの“Moanin’”そしてデフランセスコのオリジナルや、多くのオルガン・プレイヤーの愛奏曲が並ぶ。ブース使わず、60年代と同じく、四角錐の木製の天井と、石造りの壁に囲まれた、オーケストラも収録できる広いレコーディング・ルームには、ジミー・スミスのレコーディングにも参加したヴェテラン、ビリー・ハート(ドラムス)、デフランセスコと同世代で、ヴァーサタイルなスタイルを誇るピーター・バーンスタイン(ギター)、そしてスペシャル・ゲストで3曲に参加したヒューストン・パーソン(テナー・サックス)が並ぶ。パーソンもRVGスタジオの常連アーティストで、デフランセスコとともに多くのアルバムを残している。久々にヴァン・ゲルダー・スタジオのオルガンが咆哮し、ソウル・ジャズの伝統が鮮やかに甦る。ルディ・ヴァン・ゲルダーのレガシーは、スタジオとアーティストたちとともに、不滅の炎を燃やし続ける。次回の配信は、10月ごろを予定している。

 


▼トレーラー映像
Live from Van Gelder Studio - Hammond Organ

https://youtu.be/UHvivJAtlz4

 


LIVE INFORMATION
Live From Van Gelder Studio
ジャズ・レコーディング・サウンドのレファレンスを構築した伝説のレコーディング・エンジニア、ルディ・ヴァン・ゲルダーのスタジオからお届けする配信ライヴの最新情報はこちらから!
https://www.vangelder.live/