Mikiki編集部員とTOWER DOORS担当・小峯崇嗣が最近トキめいた邦楽曲をレコメンドする毎週火曜日更新の週刊連載〈Mikikiの歌謡日!〉。連載100回を超え、5人が1曲を厳選し計5曲を掲載してまいります。 *Mikiki編集部

★〈Mikikiの歌謡日!〉記事一覧

 


【小峯崇嗣】

yuriko imaoka “泣かないで”

エレクトロニック・ユニット、0(オー)のメンバーである今岡。彼女がソロ・プロジェクトのyuriko imaokaとしてニュー・シングル“泣かないで”をリリースしました。荘厳なアンビエント・サウンドにたゆたうウィスパー・ヴォイスが交わる、幻想的な一曲に仕上がっています。ダークで幽玄な電子音楽に徐々に流麗で鮮やかな旋律が加わり、劇的な変化をもたらすソングライティングのセンスに感動しました。

 

【田中亮太】

DJ TASAKA「KICK ON Teaser Mix」

先週末にサプライズ・リリースされた新作『KICK ON』のティーザー・ミックス。このアルバム、どこを切り取っても、アシッディーでファットながらどこかユーモラスでチャーミング……というTASAKA印のエレクトロで超最高です。僕のお気に入りは〈アー!〉という叫び声が特徴的なその名も“Aaahh”や、ブリージンなサイケデリアがこの季節には有難い“WooAhh”などなど。現在はBandcampのみでのリリースのようです。

 

【酒井優考】

佐藤優介 “UTOPIA”

なんだこれ、すごすぎる。90年代のポップスのアルバム買うとよくこんなアジアの裏通りみたいな曲が1曲は入ってたよな~みたいなところから始まって、いろんな時代やシーンや音楽や風景がめくるめくスピードで次々入れ替わっていく。そこは前作の表題曲“Kilaak”にも通じるけれど、あちらがもっと夢と魔法の国みたいだったのに対して、こちらはもっとメカメカしくってバキバキで、まるで熱が出た時に見る夢みたい。これ、どういう作り方をしてるんだろう。たぶん最初に相当な強度の美しい曲を作って、それをギッタギタにしてるのかな……にも関わらずツギハギ感が自然なのもすごい。最近いろいろありすぎてこの世は地獄だと思ってたんですが、まだまだユートピアなところもあって捨てたもんじゃないなって思いました。

 

【天野龍太郎】

valknee feat. hirihiri “LIP LACQUER”

すごい組み合わせだ! リリックも最高で、絶好調。配信リンクはこちら

 

【鈴木英之介】

AAAMYYY “TAKES TIME”

2021年8月18日(水)にリリースするニュー・アルバム『Annihilation』から新たに先行カットされた一曲。アンビエントR&Bやトラップを消化した浮遊感のあるトラックと絶望的なヴィジョンに貫かれた詞、そしてそこに乗る退廃的な甘さを湛えた歌。それらの総体から成る表現はダークでありながらとてもみずみずしく、極めて今日的であるが、同時にどこか90年代的な匂いをも感じさせる(個人的には、甘さと不穏さのバランスなどからスガシカオの“マーメイド”を思い出した)。アルバムも楽しみだ。