Mikiki編集部員とTOWER DOORS担当・小峯崇嗣が最近トキめいた邦楽曲をレコメンドする毎週火曜日更新の週刊連載〈Mikikiの歌謡日!〉。連載100回を超え、5人が1曲を厳選し計5曲を掲載してまいります。 *Mikiki編集部

★〈Mikikiの歌謡日!〉記事一覧

 


【天野龍太郎】

平沢進 “TIMELINEの終わり”

明日7月28日(水)にリリースされる平沢進の新作『BEACON』から、この“TIMELINEの終わり”と、ヘンリー・パーセルの歌劇「アーサー王」からのカヴァー“COLD SONG”が先行公開。ヘヴィーでトライバルなビートにオリエンタルな旋律、核P-MODEL“Timelineの東”(2013年)との関連性を感じさせるタイトル……。〈揶揄〉〈妄想〉〈呪詛〉といった言葉が並ぶ詞がSNSの状況を映し出しているように感じる一方で、なんとなく浮かび上がってくるのは〈終わりからの新生〉というテーマ。聴いていると、なぜかポジティヴな気分になれます。いつもながらに、想像力を刺激されますね。

 

【鈴木英之介】

Buffalo Daughter “ET (Densha)”

2021年9月にリリースされる7年ぶりのニュー・アルバム『We Are The Times』からの先行曲。一聴してまず、Buffalo Daughterに対してそれまで自分が抱いていたイメージと、いま聴覚空間を満たしているダークでヘヴィーなサウンドとの乖離に、束の間混乱を覚えた。だが〈サイケデリック〉と形容するにはあまりに優美すぎる映像と共にもたらされたその混乱は、決して不快なものではなく、むしろ妙に心地よいものだった。3分あたりを境にどんどんノイジーになり、インダストリアルで不穏な雰囲気を纏っていく展開もまた素晴らしい。新作、一体どういう仕上がりになっているのだろうか……?

 

【小峯崇嗣】

ウ山あまね “来る蜂”

神様クラブのメンバーとしても知られるウ山あまねが、ニュー・シングル“来る蜂”をリリースしました。独創的でエッジーなエレクトロニック・サウンドと、音の強弱によって劇的な楽曲展開を見せる中毒性の高い1曲です。そしてラストのファジーなギター・サウンドがまた最高です。

 

【田中亮太】

みらん “色恋沙汰”

兵庫在住のシンガー・ソングライターが8月18日(水)にリリースするEP『モモイロペリカンと遊んだ日』より。プロコル・ハルム“A Whiter Shade Of Pale(青い影)”とフィッシュマンズ『宇宙 日本 世田谷』をワームホール越しに繋げてしまったかのような、強烈にサイケデリックなバラードです。曲全体を貫くホーリーな感覚、それは祈りにも似た何か。

 

【酒井優考】

茶封筒 “沢田”

〈すべての芸術は政治である〉とか〈芸術すべて政治的だ〉なんてことを仰る方もいますけど、個人的には絶対にそんなことはないと思っています。そういう方にはこの動画の詳細欄に歌詞が掲載されているので何度も熟読してほしいし、字幕もユニークなのでオンにして見ていただきたいですね。“Come Together”みたいなベースと、サビのリズムがカッコよすぎ。茶封筒のファースト・フル・アルバム『野蛮』は8月11日(水)、下北沢・近松のCDショップ〈newolder records〉よりリリース。