Mikiki編集部員が最近トキめいた邦楽曲をレコメンドする毎週火曜日更新の週刊連載〈Mikikiの歌謡日!〉。連載100回を超え、4人が1曲を厳選し計4曲を掲載してまいります。 *Mikiki編集部

★〈Mikikiの歌謡日!〉記事一覧

 


【鈴木英之介】

kiki vivi lily “Lazy”

10月1日にリリースされた2作目のフルアルバム『Tasty』からの1曲。間を活かして粘り気のあるグルーヴを紡ぎ出すリズムセクションに、70年代ニューソウル的な温かいハモンドオルガンの音色を絡ませたアレンジは、シンプルながらとても心地よく、甘く可愛らしいメロディーとあいまって、聴いていると思わず身体が揺れてしまう。そんなブラックミュージックとしての純度の高さを持った曲に乗るボーカルが、決してソウルフルではなく〈こぶしレス〉な感じというのが、また絶妙なバランスだと思う。この曲同様『Tasty』に収録された、Sweet Williamとの共演曲“New Day”もグルーヴの旨味が凝縮された仕上がりなので、ぜひ併せてチェックを。

 

【田中亮太】

Uniolla “A perfect day”

この一週間は若干のダウナーモードであったからか、なにを聴いても〈あんまりよくわかんないなー〉と思っちゃう感じだったんですが、Spotifyからこの曲が流れはじめた瞬間、心がかすかに跳ねた気がしました。スキップするような軽やかなリズムと溌溂としたボーカルがすっと体に入ってきて、細胞や血液が綺麗になっていくように思えた。過剰な装飾はないながらも旨味たっぷりのバンドアレンジが素晴らしい……と思ってちゃんと調べたら、LOVE PSYCHEDELICOのKUMIさん、深沼元昭さん、林幸治さん、岩中英明さんによる新バンドなんですね。そりゃいいわけだ。

 

【酒井優考】

colormal “延命”

連載もやってもらってるからなんだか身内感が出てしまうけど、そういう贔屓目抜きにいい曲だなって思ってます。自分のアンテナが腐ってしまったのか、本当に不作の年なのかは分からんけど去年今年はグッと来る曲がすごく少なくて、みんな同じように聴こえてしまって、でもこういういい曲を聴くと、あっ俺のアンテナ腐ってなかったんだって思います(田中さんと内容被ったかな)。

 

【天野龍太郎】

上坂すみれ “生活こんきゅーダメディネロ”

ものすごい情報量と怒涛の展開に圧倒されるというか、あっけにとられます。なんじゃこりゃ……。ももクロの曲(“Z女戦争”とか)を思い出しましたが、こっちのほうが過激で過剰でヤバい。これがJ-Popの最終進化究極形態でしょうか? 作詞と作曲は前山田健一さん、編曲は藤原燈太さんです。それに加えて、ものすごい数の声のトーンを歌い演じ分ける、すみぺのボーカリゼーションが、やっぱりとんでもない。あと、旧ソ連オタであるすみぺが資本主義についての歌を歌っているというのが、ちょっとおもしろい。配信リンクはこちら