一世代では成し得なかった熟成がここに完成――新世代グルーヴ感が溢れ出るラグヘッズのデビュー盤!

 伊吹文裕(ドラムス)、宮川純(キーボード)、小川翔(ギター)、山本連(・ベース)という錚々たるメンバーによるスーパーJAM・POPバンド、それが〈LAGHEADS〉(ラグヘッズ)。彼らはジャズ/フュージョン/ソウル/ブルースのみならずJ-POPにおいても数々のアーティストのレコーディングやツアーに参加している、現代のファースト・コール・ミュージシャン集団である。全員が30代の、新世代グルーヴ・メイカーといえよう。そのサウンドの洗練度、本格度は半端ではない。〈Stuff〉や〈24th Street Band〉といった70年代クロスオーヴァーから〈Vulfpeck〉、〈Snarky Puppy〉など現代に至るまでのジャズ/フュージョン/ソウル系の海外サウンドのテイストを濃厚に振り撒く演奏のテクニックとグルーヴ感。これには、彼らの親の世代から継承した感性が脈々と流れているように感じる。日本のミュージシャンや音楽ファンが一世代では成し得なかった熟成がここに完成たと言って良いのではないだろうか。僕のような古い音楽ファンとすれば、ついに日本の音楽レベルもここまで来たか!という感激すら覚える。

LAGHEADS 『What is “LAGHEADS”?』 LAGHEADS(2022)

 そして、ここに届けられた彼らのデビュー・アルバム『What is “LAGHEADS”?』。内容はコアなフュージョンに留まることなく、4曲で〈kiki vivi lily〉、〈HIMI〉、〈DinoJr.〉をゲスト・ヴォーカルに迎えて、三者三様のカラーをバンドに注入。J-POPでも勝負できる軽やかさ、カラフルなテイストを演出することにも成功している。正統派ミュージシャンとしての世代を超えた普遍性と、現代の音楽シーンに充分アピールできるセンス、これらを兼ね備えた注目すべきバンドのデビュー・アルバムである。アナログ時代のLPレコードを思わせる7曲入りというコンパクトな収録時間は、集中を欠くことなく全曲を通して聴くことが出来る。是非とも、このバンドの実力と今後の可能性を感じ取ってほしい。

 


LIVE INFORMATION
『What is “LAGHEADS”?』リリースツアー
2022年2月26日(土)東京・渋谷 TOKIOTOKYO
開場/開演:17:00/18:00
ゲスト: kiki vivi lily/HIMI/DinoJr.
https://www.lagheads.com/