友情の軌跡を形にするために、さくらちゃんにお声がけしました

──今回Reiさんが始動させたコラボプロジェクト〈QUILT〉の第一弾に藤原さんを招いたのはどうしてだったんですか?

Rei「昨年『HONEY』というアルバムを出させていただいたんですけど、〈個=ONE〉っていうキーワードを主軸とした作品で、自分自身と向き合ったところもあったので、そのあとにたくさんの人が参加してる賑やかな作品を作るのは振り幅があって面白いなって思ったんです。

Reiの2020年作『HONEY』収録曲“Categorizing Me”

私は活動を続ける中でいろんなミュージシャンの方々と関わりを持たせていただいて、人との関わりにコンプレックスを抱いていた自分が音楽を通したら人と繋がることができたんですね。そういうこれまでの活動を踏襲するものを形にしたくて。

〈QUILT〉は生地を縫い合わせる技法のことなんですけど、〈私とあなたという布の間に挟まっている音楽を縫い合わせてひとつの作品にできたら〉という想いを込めてプロジェクト名を付けました。

それで第一弾は誰と一緒にやりたいかを考えた時に、本音で話せる方がいいなって思ったのと、この2021年という時代をリアルに感じて音楽を奏でていて、同じ方向を向いている方がいいなと思ったんです。それで、私たちの友情の軌跡を形にするために、さくらちゃんにお声がけしました」

――藤原さんはオファーされてどうでしたか?

藤原「〈え! 絶対やる〉って(笑)。Reiちゃんが企画している〈Reiny Friday〉にも出たいってずっと話してたので、やっと〈この時期ならふたりとも大丈夫だね〉となったんです。10月に東京と大阪でライブをやることが決まっていたので、自分たちの曲をお客さんの前で演奏できるというのもあって、何の迷いもなく〈やりたい!〉って言った記憶があります」

〈Reiny Friday -Rei & Friends- Vol.12〉ティーザー

 

よくReiちゃんとデモの聴き合いをするんです

──“Smile!”は藤原さんと歌うことを想定して作られたんですか?

Rei「さくらちゃんとやる曲の候補はいっぱいあったんですけど、この曲は以前からありました。このプロジェクトのために歌詞を書き直して、アレンジもオートクチュールしたら合うかもと思って提案しました」

藤原「よくReiちゃんとデモの聴き合いをするんです。この曲も、昔Reiちゃんの家で聴かせてもらったことのある曲で。それで、〈この曲にするのってどうかな?〉って訊かれた時に、もうめちゃめちゃいい曲だから〈いいじゃん!〉と返しました」

――そこからどう完成に向かっていったんですか?

Rei「歌詞を全面的に変えました。あと裏声のボーカルがメインの曲って自分の曲にはなかったんですけど、さくらちゃんは(地声と裏声の)ミックスドボイスのような不思議な発声で歌われるので、それを活かせたらいいなと思って作っていきました」

──人とのつながりや支え合いが歌われた曲ですが、どんなことを意識されましたか?

Rei「受け手を意識して、他人に見せつける仲の良さは嫌だなと思ってたので、そうじゃなくて、本当に〈うちら仲いいんだよ〉っていうのが自然に出るといいなと思いました。

全体的な曲調は明るいんですけど、最初は閉塞感のある場所に主人公がいて、雨も降っていて手足も冷えているというところから、だんだん日が差し込んでくるイメージです。その後、2番でさくらちゃんの歌声が入ってくるんですけど、1番とコード進行は同じだけどアレンジが全然違うんですね。そうやって歩いて行って景色が変わっていく感じが出たらいいなと思って、1番と2番のコントラストには気を配りました」