キツネの強力な後ろ盾と、煌びやかな楽曲で一躍時代の寵児となったラ・ルー。しかし成功の代償は大きく、シンガーのエレノアはプレッシャーに押し潰されて一時は活動休止を余儀なくされたとか。ミックスCD『Sidetracked』を挿み、前作から5年を経て到着したこの2作目は、復活作であると同時にエレノアのソロ体制になって初のアルバムでもある。さぞや強い意気込みで作ったのだろうと構えたが、歌声は非常にマイルドでリラックス・ムード満点。成熟した大人のシンセ・ポップへと転じている。元相方のベンが共作者として、前作に続きイアン・シャーウィンがプロデューサーとして関与し、デヴィッド・ボウイやユーリズミックスを彷彿とさせる80s的なセンスに、さらなる磨きがかかった印象だ。