40代以上の世代で洋楽ロックに興味を持った人でビートルズを通過していない人はまずいないのでは。自分の場合、家にあった浮き輪がメンバー4人のマッシュルーム・カットの顔がデザインされたものだったという、その音楽に興味を持つ以前の記憶が最初。本書は今なお、音楽シーンの中で別格の存在感を誇るビートルズについて、これまで世に出て来た無数の彼らの研究書、資料等からの膨大なデータを読み解き、音楽評論の第一人者である筆者が今の時代にあらためてビートルズを語った1冊である。メンバー二人がすでに故人ゆえ、遠くなった感も否めないが、その音楽はいつまでたっても〈近い〉と実感。