昨年末に発表したファーストEPで話題を呼び、このたび初のフル・アルバムを完成させた彼ら。今作を聴いて、結成から2年とは思えない洗練された楽曲のクォリティーに驚いた。
パンク、メタル、ハードコア、スクリーモなどラウド界隈のあらゆる音楽を栄養源にしているようだが、いい意味で特定のジャンルが浮かばないサウンドである。自分たち流に噛み砕いたラウド・ロックを鳴らしている点が好ポイント。特にVictorの歌唱力は群を抜いており、憂いを帯びたメロに乗る歌唱は楽曲の良さを格段に押し上げている。どこかミューズに通じるスケールの大きさと、エッジを立たせたラウドな音像も上手くマッチ。各自の演奏も楽曲の景観を壊すことなく、でも、きっちり主張しているところにもプレイヤーとしての矜持を感じる。coldrainなどが好きなリスナーにお薦めしたいニューフェイスだ。早くも次作が楽しみになってきた。
▼wrong cityの作品
wrong cityの2013年のEP『Life As a Ghost』(RATRACE)
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