よりフレッシュに、よりジューシーに風味を増したPIGGSが覚悟のセカンド・アルバムを完成! 走って転んでも進む5人の情熱と決意はどこへ向かう?

 激動の続いた2021年、9月2日の〈不意打ちライヴ〉にて新メンバーのKINCHANをサプライズで顔見世し、怒涛の新生を遂げたPIGGS。KINCHANの100kmマラソンを敢行して11月からは〈DEAR HUNTER TOUR〉で全国を巡るなか、現在の彼女たちの魅力を濃縮還元したセカンド・アルバム『JUICYY』が完成。新年1月8日のツアー・ファイナル……というか、その先へ向かって絆を固める5人に話を訊きました。

PIGGS 『JUICYY』 プープーランド(2021)

 

大物の加入

――2021年を振り返っていかがですか。

CHIYO-P「メンバーが減って、4人の期間もあって、そこから新しいメンバーを迎え入れて。1年間の出来事ではない感じが凄いします(笑)。振り返るといろんなことあったけど、あっという間に過ぎ去っていった感じで」

――1年前の取材では、CHIYO-Pさんが実家が好きすぎるという話をされてましたね。

プー・ルイ「そうだよ、個人的トピックスじゃん」

CHIYO「そうだ! 私は同居を始めました。春の〈GREAT MUSCLE TOUR〉の企画があった流れでPIGGSハウスに住むことになって、そのなかでメンバー脱退があったので……人が抜けるって大きいことじゃないですか。それを経験して〈あっ、もっと自覚を持たなきゃいけないな〉ってめっちゃ感じて。いまはしっかりお部屋をいただいて住人になりました(笑)」

BAN-BAN「他のアーティストさんと5日間連続で対バンした自主イべント〈FAMILY BUTCHERS〉が印象深かったです。いろんなバンドさんとか、二丁目の魁カミングアウトさんやテンテンコさんとも対バンさせていただいたんですけど、皆さん音楽をめっちゃ楽しんでて、自分たちの音楽に凄く自信持ってる方たちだなって感じたし、一緒にやらせてもらったことでPIGGSの観せていきたいものも見えてきた企画でした。あと最終日はKINCHANのお披露目でもあったので」

――〈4人のPIGGS〉と〈5人のPIGGS〉が対バンする構成で。

BAN-BAN「そうです。私は4人の最後のライヴと5人の最初のライヴで気持ちが違って。〈ここからまた始まるんだな〉って思ったし、〈FAMILY BUTCHERS〉を通して見えてきたPIGGSの方向性に、KINCHANが入ったことで、より向かっていけるふうに感じたので、たくさん学びがあった5日間でした。凄く楽しかった」

SHELLME「私はちょっと個人的なんですけど、4人で回った最初で最後のツアーでMCをやらせてもらうことになった時に、〈自分が何を伝えたいのか〉〈いまの自分はどうして前向きになれてるのか〉とか考えて、初めてちゃんと自分と向き合う機会になったのが印象に残ってます。いまたくさんの人が自分のためにいろいろ言ってくださったりしてるけど、たぶんPIGGSになる前から同じように言ってくれてた人たちがたくさんいたのに、自分は全部それを跳ね除けて生きてきたんだな……って」

プー「新メンバーオーディションの3次審査と最終審査の間に、毎日報告メールを送るっていう審査があったんですよ。それでKINCHANのメールを見て号泣してたよね」

SHELL「そう、自分のダメさを喰らってたところにKINCHANのメールを見せてもらったら、自分のできてないことができてて、心がボコボコにされました。〈情けねえ!〉って(笑)。」

プー「〈1年やってるのに、入る前の子に負けた〉って言ってね」

SHELL「でも実際に読んで自分も心動かされちゃったんですよね。それって何より説得力があって。自分も報告メールはしてるんですけど〈ただ送っとるだけで満足しとったな〉って」

CHIYO-P
2月28日生まれ。北海道出身。ちびっこギャング担当。よく食べる

――オーディションの話に移りますが、そのメールも審査項目だったわけですね。

プー「はい。実はけっこう重要な審査で。最終候補に残った子はみんな魅力的だったので、最終審査までに〈内面をきちんと出せるかどうか〉〈人の心を動かせるものを持ってるのか〉っていう、PIGGSに合うか合わないかの部分が見たくて。で、本人はわかんないと思うけど、スタッフやメンバーから見ていちばん自分を出せてたのがKINCHANでした」

KINCHAN「う~ん、凄い過大評価されてるなって思っちゃいますね(笑)」

――オーディション過程は動画で公開されてる部分もありますが、改めて合格が決まった時はどんな心境でした?

KIN「ビックリして時が止まりました。でも嬉しい感情より不安が8割を占めちゃって。みんなが108回踊ったり1,000km歩いたりしてるのを私は一人のファンとして観ていたので、冷静に考えたらヤバイじゃないですか。そこに入ることを想像して、合格は嬉しいけど、すぐ不安でいっぱいになりました(笑)」

――いつ頃から〈一人のファン〉でしたか?

KIN「プーちゃんのことは2期のBiSから見ててたので、最初にグループを作る募集から知ってました。その時はお金がなくて、受けたかったけど行けなくて。で、PIGGSが出来た最初の頃はそんな観てなかったんですけど、〈ギュウ農フェス〉に出た映像を観て〈あっ、すっごいカッコイイ〉って思ってから追うようになって」

プー「夏の。2回目のライヴですね」

KIN「そこからライヴ映像とかMVをずっと観たり、徒歩ツアーの生配信も観てました。それでメンバーが辞められた時に、〈あっ、これは絶対オーディションがあるな〉って思って、今度は絶対に受けるって決めてたんです。なので、オーディションの告知があってすぐにメールしてました」

プー「うん、早かったです、来るの」

――そうやって結果的には合格して。

プー「合格を伝えて、そのままPIGGSハウスに連れてきて、お試しで3日間同居してみて。それが本当の意味での最終審査だったんですよ、実は。そこでどうしても合わない場合は難しいだろうし」

SHELL「3日も住んだらわかるもんね」

KIN「ちなみに5日間も泊まったよ」

CHIYO「大物ですよ、この子は(笑)。もともと新メンバーが入ったら私と相部屋って決まってたんですけど、家に来てすぐ〈どうしよう、緊張で寝れない〉みたいに言ってたのに、部屋入って〈じゃあ、おやすみ~〉ってなったら、すぐイビキかいて爆睡してて」

KIN「緊張して一睡もせずオーディションに行ったので、すぐ寝ちゃいまして(笑)」

プー「〈どうしよう、緊張で寝れない〉〈おやすみ〉〈ガーッ〉。ヤバっ(笑)」

CHIYO「やっぱりこういう子が選ばれるんだなって(笑)」

SHELL「〈コイツいいな〉ってなったよね」

KIN「やだよ、イビキでそんなこと思われるの!」

――いまも同じ部屋なんですね?

CHIYO「そうです。ちょっと見せられないぐらい汚くて。汚い部屋でも大丈夫な人だったから良かったです、お互いに」

KIN「アハハハハ」

――BAN-BANさんは一緒に生活してみていかがですか?

BAN-BAN「最初のほうはKINCHANはずっと鏡があるリビングでダンスの練習してて、私はコミュニケーションが苦手なぶん、ずっとリビングにいるようにして。そしたら振付けのこととか訊いてくれたりして、だんだん関係を深めていけたなって。ダンスとか歌の経験がないっていう共通点もあって、いちばん〈一緒にがんばろう〉ってなります。がんばる方向が近いというか、高め合えるというか」

プー「波長は合ってるよね。誤解がある言い方だけど、ケーキだとしたらSHELLMEとCHIYO-Pが生クリームとイチゴで、こっちの3人がスポンジ担当みたいな感じなのかなって。2人はダンスとか歌とか特技も見えやすいし、3人は芯っていうか内面の部分っていう」

CHIYO「うん。でもどっちもないとダメだから」

――自分がイチゴであることをすんなり受け入れましたね(笑)。

CHIYO「違う、違う、違う(笑)」

プー「そういうとこあんだよ(笑)。私らだってイチゴだぞ」

BAN-BAN「こういう感じで、いま凄くバランスが良いメンバーだと思います(笑)」

SHELL「みんなで補い合って」

――実際の活動面での変化は感じますか?

プー「観てる人の反応はちょっと変わったかも。いままで〈今年はこれをしたい〉〈武道館に行きたい〉とか言わない美学でやってきたんですけど、それを明言するようになって、そこに応援したくなる新メンバーが入ったことも相まって、ぶーちゃんズ(PIGGSファンの総称)の結束力も高まってきたように思います。5人になってから空気が少しずつ変化してきてるように感じます」

――夢を言っていく方針にした理由は?

プー「METTY(クリエイティヴ・ディレクター)やRyan.B(サウンド・プロデューサー)といろいろ話して、思いを伝えるよりもカッコイイ世界観を見せていく方向に舵を切った時期があったんですけど、私は何かしっくりこなくて。それで何を観せていきたいのか改めてチームで話し合って、やっぱりみんなプー・ルイの夢を叶えようっていうので集まってるから、私の歴史とか個々の素の人間味を出していくことになりました。私が中心っていう意味ではないんですけど、物語として私の10年間の負け続けの歴史っていうのはたぶん誰にも負けないものなので。誇れるもんではないですけど(笑)、そこはやっぱりPIGGSにとって大事なものだよねっていう結論になって、自分たちの夢とかを言っていくようになったんですよね」

――それがあって楽曲の作風も変わってきたわけですね。

プー「はい。それを踏まえて作ったのが今回の『JUICYY』なので、特に新曲は他に主人公を置かなくても、自分たちの思いを込めて歌えるものになりました」

 

プー・ルイ
8月20日生まれ。埼玉出身。偉い人担当。プープーランド代表。

絶対に行かなくちゃいけない

――では、そのアルバムの話に移ります。まず『JUICYY』というタイトルの意味は?

プー「美味しくなったPIGGSをどうぞ召し上がってください、っていう意味です。Yが2つあるのは、KINCHANのメンバーカラーがイエローなので、Yが増えたっていうのがあって」

BAN-BAN「あと、〈Yes〉とか〈Yell〉とか肯定的な英単語の頭文字にYが多いらしくて、〈もっと美味しいよ〉みたいな、そういうポジティヴな意味も込められてます」

――新曲が6つ収録されているので、それぞれ紹介いただけますか。まずは“NAKED BORN NAKED DIE”から。

KIN「はい。私は9月2日のライヴのアンコールに、サプライズでこの1曲だけブタのマスクを着けて登場させていただいて。記憶がないくらい緊張したんですけど、初めてのステージでやったので凄く印象深い曲です」

プー「終わった後、泣いてたもんね」

KIN「私はダンスも何もやったことがなくて、この曲はダンスがけっこう難しくて、振入れの時から泣いちゃったりとか(笑)。いまとなっては〈そんなこともあったな〉って感じなんですけど。気持ちの面で〈私が急に1人で入って大丈夫かな〉みたいな不安もあったんですけど、歌う時は曲名にある通り、〈もうPIGGSで、裸で生まれて裸で死ぬんだ〉っていう気持ちでやりました」

――レコーディングはお披露目よりも前?

KIN「前です」

プー「加入してすぐアルバムを進めてました。レコーディングと練習を並行して」

――初めて録った曲はどれでした?

KIN「 “NAKED BORN NAKED DIE”と“NOT PIG”の2曲を最初に録りました。すっごい緊張して肩が上がって(笑)。Ryanさんに〈ここはこういうふうに歌ったらいいよ〉って教えていただきながら、どうにかやりました」

BAN-BAN「KINCHANが入る前に仮で録っていたものと聴き比べたら、色が増えた感じがあって凄く良いな~って思いました」

プー「ピュアな声がね、〈新色!〉って感じだった(笑)」

――新体制の最初にこの曲を選んだのは?

プー「タイトル通り〈裸で生まれて裸で死ぬぜ!〉っていう決意というか、〈始まり〉の曲なのでこれにしました。例えば“NOT PIG”だと〈覚悟〉の曲なんで、5人の始まりとはまた違うのかなって。Ryanもメンバーのことがさらにわかってきたし、ロマンティストなのでメンバーの心情に立って書いてくれるっていうか、マインド的にはメンバーだと思ってるんで、何なら(笑)。だからRyanの曲は歌いやすいですね」

――続く“危険ぐらいがちょうどいい”はCHIYO-Pさんのシャウトが強力に映える作りですね。

CHIYO「はい、叫びます。えっと、この曲はダンスも曲調もハードで強い感じになっていて、歌詞も攻撃的な感じでカッコイイなって思って。自分の武器としてるものを存分に出させていただけてるので、自分でも凄い好きです」

BAN-BAN「いままででいちばん高いじゃん」

CHIYO「そうかも。顔を真っ赤にしながらレコーディングしました(笑)」

――Ryanさんも求めるものが高くなってきた感じがしますね。あと“Beat Crazy”に続いて、エロティックなメタファーみたいな歌詞がRyanさんっぽいなって(笑)。

CHIYO「そう、凄い歌詞ですよね(笑)」

プー「欲求不満なのかな(笑)。でも〈その下の もっと下の そうそこにカオスをくれよ〉って笑いながら書いてそう」

SHELL「〈イイの出来た~〉って」

KINCHAN
3月31日生まれ。山口出身。おもち担当。新メンバー。

――そして3曲目が、さっきもお話に出た“NOT PIG”ですね。

プー「“NOT PIG”はこの10年というか、私がプー・ルイになってから生きてきたすべてが詰まっていて。別に作詞してないですけど(笑)、もう自分で書いたぐらいの思いが乗ってます。これを歌うってことは、口に出した場所に絶対に行かなくちゃいけないので、そういう意味でも気が引き締まるというか、PIGGSにしか似合わない曲だなって」

――冒頭のピアノの感じからグッときます。

プー「〈今はどんな味かな?〉ですからね。私的には〈恩仇クーデター〉って言葉が気に入ってて、意味は想像通りでいいんですけど(笑)」

――はい(笑)。

プー「私の恩返しって、別にその人にへいこらすることじゃないんで。自分がカッコ良くなって〈お前もここまで来たか〉って思わせるのが恩返しだと思うので、言い方は攻撃的ですけど、そのための決意みたいなのが入ってるなって」

――振付けも“primal.”を思わせるもので。

プー「そうです。でも、ただやるんじゃなくて、歌詞の意味にそのまま当てはまっているし、いまだからできるものですね。昔だったら〈BiSが好きだから〉〈あの頃の感じがやりたいから〉みたいな気持ちだったと思うんですけど、いまは私も振付けの(カミヤ)サキちゃんもBiSに対して整理がついたからこそやれるのかなと思って。メンバーだけじゃなくて、サキちゃんも、RyanもMETTYも、全員の気持ちが入っているっていう感じです。まあ、私と一緒にやる人たちしかできない曲ですよね(笑)。十字架を共に背負った人が(笑)」

――重みがあります。で、一転して“カッシーニ”は爽やかでポップな雰囲気で。

SHELL「いままでPIGGSになかった感じの曲で新鮮だし、振付けもみんなでやるところが多くてめっちゃ好きですね。歌詞も小さな頃から大人になったいままでの自分の気持ちを歌ってくれてると思ってて。自分は2番のサビ歌ってるんですけど、〈思いはこぼれまくって〉しまうほうなんで(笑)、気持ちをちゃんと乗せて歌えます。歌詞を特に大事にしたいって思ってる曲です」

プー「“カッシーニ”はライヴでの多幸感が凄いです。想像するのが、夕暮れ時の野音とか開放的な空間でやりたいなって」

SHELL「空があって。みんなで手を振ってね」

プー「いまはみんながライヴハウスで後ろまでサイリウムを振ってくれてて、その光景も凄くキレイだし」

――〈カッシーニ〉というのは土星探査機の名前ですよね。

プー「土星から見た地球の画を見てRyanが思いついたらしくて、いろんな悩みはあるけど、広い目で見たら小っちゃいものだし、逆に大きい地球の中でこうして出会って一緒に悩んでいけるのは素敵なことなんだよ、っていうのを書いたっていうのを言ってました」

SHELL「めっちゃいいな」

――カッシーニは地球に帰ってこれないので、そういう儚さもちょっと感じました。

BAN-BAN「切ない」

プー「うんうん、どこか切なさはあるかも。曲には」

――その優しい雰囲気は、続いての“夢を見させて”にも通じますね。

CHIYO「これもPIGGSがやってきてない曲調で、熱い曲っていうよりは、気持ちがスッて耳に入ってきて身体に浸透するみたいな優しい曲です。歌詞は〈17歳の少女が命をあきらめていた〉っていう冒頭から、ちょうど自分が病んじゃってたり、学校に通ってなかったりした時の感情とリンクするところが多くて、凄く気持ちが込めやすくて好きですね。誰しもが感じたことのある気持ちが聴きやすく曲になっているなって思います」

――CHIYO-Pさんの経験を踏まえて書かれた部分もあるのかもしれませんね。

プー「Ryanに聞いてはないですけど、そういうことやってくるやつなんで(笑)。曲はけっこう前からあって、やっとやれるって感じです」

BAN-BAN「私は“夢を見させて”の気持ちが自分の経験と重ならなくて、最初は歌に気持ちを込めにくかったんですけど、サキさんが振付けの参考にしたドラマを教えてくれて。『ユーフォリア/EUPHORIA』っていう、似たような生きづらい子たちが出会うっていう物語で、それを踏まえて聴いたら、優しくて切ないなかにも愛があって、凄く心に染みるな~って思って。そんな曲です」

 

BAN-BAN
4月15日生まれ。広島出身。爆竹担当。東京大学に在学中。

終わりがあるからこそ

――はい。そしてラストは名曲“I CAN'T BE”ですね。

BAN-BAN「めっちゃ笑いながら走ってるような曲で、凄くPIGGSらしい曲です。みんなそれぞれの人生でうまくいかないこともたくさんあって、一人だとできないこともいっぱいあるけど、そんな人たちが集まって何かやってるっていう。例えばプーちゃんが過去のグループだとこういう歌は歌えなかったなって感じてて」

プー「何でお前が言うんだよ(笑)」

BAN-BAN「PIGGSではもっと笑いながら走ってる感じがするというか」

――前のグループとは違ってね。

プー「前も笑ってましたよ(笑)! でも、いま個人的にいちばんしっくりくる曲ですね。“NOT PIG”は私が先頭に立って〈ついてこいよ〉って背負ってる感じなので、歌うのがキツい日もありそうだなって感じるんですけど、“I CAN'T BE”は違くて〈みんなで一緒に行こうよ〉っていう感じで、でも終わりが来るのは全員わかっているみたいな切なさもどこかにあるっていうか。凄い笑顔なんだけど、どこかのゴールに向かって走っているっていうイメージですね」

――それはありますね。

プー「はい。終わりを意識したうえで過ごす現在って尊いなって思ってて。アイドルってやっぱり永遠には続かないのに、みんなどっかで忘れちゃうっていうか。Ryanがそこまで意識したかわかんないですけど、最近ふとライヴしてて、終わりを感じることがあるんですよ。いままでない感覚っていうか。それだけ全力でやれてるって意味なんですけど、〈これで絶対に最後だ〉って凄く感じます。そう思って家に帰ってみんなで馬鹿騒ぎしてると、いままで凄いムカついてたこととかも愛おしく思えてきたりして(笑)。そういう新しい感覚の曲です」。

――社長!

プー「何ですか(笑)。曲自体は〈GREAT MUSCLE TOUR〉の頃に実はあったんですけど、ぶっちゃけ個人的にその時はあんまりハマッてなくて」

SHELL「てか、違う意味に聴こえてたね」

プー「いまはいろんな経験をして、みんな傷ついたぶん優しくなったし、KINCHANっていう真心系のピースも入って、いま歌えることに意味がある曲になりました。〈あなたと出会い私になれた〉のパートは絶対KINCHANだなって思って、そこだけは歌割に口出しましたね」

KIN「そこは私が歌うことに凄く意味があると思って、ぶーちゃんズやスタッフさん、メンバーも含めてみんながいるから、私はPIGGSのKINCHANになれたんだよっていう思いでいつも歌ってます。全体的に明るい曲なんですけど、〈楽しい時間ほど早く過ぎ去ってしまうけど、いまあるPIGGSと一緒に楽しもうよ〉って言ってるように感じています」

CHIYO「“I CAN'T BE”ではみんなでプーちゃんにお花を差し出す振付けがあって、みんなハッピーな顔なんだけど、歌ってる内容を思うと、やりながら切ない気持ちになって。でも、いまが凄い幸せだなって感じながらやってますね」

プー「この曲を歌うにあたってじゃないんですけど、たまたま家で〈ライヴ中に終わりを感じたことがある〉っていうさっきの話をみんなにしたことがあって、〈絶対終わりはくるけどさ、いまの楽しい時間って幸せじゃね?〉みたいな(笑)。いまPIGGSハウスっていうインスタのストーリーでずっと上げてるんですけど〈これも最後の日とか来るんだね〉って、みんなで『テラスハウス』みたいに鍵を置いて(笑)」

KIN「悲しくなっちゃう」

プー「ふざけて笑いながらですけどね。〈それを想像したら、いまもっとがんばらなきゃね〉みたいなことを喋って……いまみんな泣いてますけど(笑)」

――文字で表現しづらい(笑)。

プー「別に終わるわけじゃないんで、あんまり終わり終わり言うのも違うんですけど(笑)。凄く難しいのが、終わりに向かってはいるんだけど、それを終わらせないようにする活動じゃないですか。だから、みんなと過ごす楽しい時間をできるだけ長くするために全力でやろうぜっていう感じですね。応援してくれる人への恩返しは1日でも長く自分がステージにいることだと思ってるし、こんなにダメなのにいつまでも〈プーちゃん好き〉って言ってくれる人たちがいっぱいいてくれて、その人たちを幸せにしないとプー・ルイっていう人は終われないんで……泣いちゃう。そのためには売れないと続けられないのは痛いほどわかってるし、上手くいかなかったらプープーランドなんて一瞬で吹っ飛ぶんで(笑)」

――ここからこのストーリーを共有して一緒に味わっていこうということですね。

プー「はい。グループとしてはまだ駆け出しなので。昔の人たちがいっぱい帰ってきてくれてるのも新しい人たちが増えてるのも同じぐらい嬉しいし、PIGGSはみんなに笑っててほしいなっていう気持ちでやってますね」

 

SHELLME
4月22日生まれ。愛知出身。ポンコツパリピ担当

一緒に夢を叶えていきたい

――年明けから〈DEAR HUNTER TOUR〉のファイナルですが、そんな新年の目標を最後にそれぞれ教えていただけますか。

SHELL「私はやっぱりダンスですね。あの、ダンスでPIGGS引っ張りたいみたいなことを言ってるわりに説得力がないなって思って。振付けも〈サキさんが作ったほうが良いから〉みたいに言い訳して、そもそもちゃんとやろうとしてなくて……。2022年はそれを少しずつでもできるようになりたいです」

CHIYO「私は歌をがんばりたいです。歌いやすいキーとか歌の中での得意/不得意を自分でちゃんと理解して、自分でも改善していけるようにしたいなって思います。あとは食べることが凄い好きなので(笑)、それを何か新しいお仕事に繋げられるようにできないかなってちょっと考えてます」

BAN-BAN「できるようになりたいことはいっぱいあるけど、いちばんはコミュニケーションが上手になることで。きっとそれってすべてに繋がるというか。自分のライヴを振り返って観ててもそれを感じることがあって、いまは自分の強い気持ちをただ出してる感じというか。それって普段から相手のことを考えるよりも、自分の思いを優先してしまっているからだと思うので、だから、そういうコミュニケーションをもっと上手になりたいです。そうしたらもっとカッコイイ人になれると思います」

KIN「いちばんは歌とかダンスの技術面の差を埋めたいなって思います。〈お姉さんたち4人についていってがんばってね〉みたいに言われたらやっぱり悔しくて。追い越したい気持ちはあるけど(笑)、そんなおこがましいことはまだ言えないので、徐々に差を埋めていきたいし、ライヴを観返して、ダンスが変だったり音外したりするのが純粋に嫌だなって(笑)。あと、最近ちょこっとだけ作詞のお勉強をしてて。もちろんRyanさんの歌詞は思いも込めやすくて大好きなんですけど、ワンフレーズでも自分の言葉があったら、もっともっと思いが乗って素敵になるんじゃないかなって思うので、がんばりたいです」

――いいですね。では、社長。

プー「社長はしっかりしたいです。新幹線にパソコン置いてきて明日取りに行くんですけど最近そういうのが多発してるので、2022年はしっかり生きる。あとはしっかり休む(笑)。やっぱり20代と同じじゃないし(笑)、声帯も消耗品じゃないですか。ずっと歌い続けたいなら、ちゃんと休まないといけないなって思うようになりましたね。私もですけど、朝6時とかまで起きてるヤツもいるので、みんなで心身共に健康的にいきたいなって」

SHELL「そうだよ、長くやるために(笑)」

KIN「寝ます」

プー「自炊もしよう」

KIN「インスタで〈自炊始めました〉って言って、1回で終わったよね(笑)」

SHELL「〈やってみました〉って感じで、始めてもないんだよ。もう1回やろ」

プー「Twitterで書かれてたもん。〈PIGGS自炊終わったでしょ〉って」

KIN「書かれてたね(笑)」

SHELL「正解です」

――自炊もがんばりつつ、PIGGSとしては2022年はどうしていきたいですか。

プー「2022年はステップアップしたいので、まずはメジャー・デビューしたいです。野音にだって立ちたいし、やりたいことはいっぱいあります。ぶーちゃんズと一緒に夢を叶えて、思い出を増やしていきたいです」

――ここからライヴの制約がどうなるかもありますね。

プー「そうですね。でも、2022年はお客さんの声が聴けたらいちばん嬉しいかも。現時点では何とも言えないですけど」

CHIYO「自分はアイドル現場もけっこう1人で行ってて、コールとかする人だったんですよ。そういう愛の伝え方みたいなのがわかるから、いつになるかわかんないけど、自分がそういう声援を貰えるかもしれないって考えると、信じられないし凄いなって思います」

プー「ビックリするよ。マジでうるせえから(笑)。人ならざるものに変化するから」

SHELL「まだめっちゃ人に見えてるわ」

KIN「人に見えてる」

プー「でもそれも含めてライヴだなって思うので。PIGGSは声が出せない状態で始まったから、出せないなりの楽しみ方をみんな見つけてくれてるんですけど、我慢して溜まってるものが出せるようになったら相当ヤバイんじゃないかなって楽しみです」

 

スタートからもうすぐ2年……『JUICYY』に至るまでのディスコグラフィー

PIGGS 『HALLO PIGGS』 プープーランド(2020)

Ryan.Bがグラムやニューウェイヴを意識してプー・ルイに新世界を開いた初作。エレポップの“スナッチャー”や爽快な“Moonage Driver”、レゲエ調の“飛べない蛇”までの幅広さは処女作ならでは。“PIGGS -モナ・リザ-”と“とらえる”は〈JUICYY ver.〉として新作にも収録。

 

PIGGS 『5 KILL STARS』 プープーランド(2020)

〈徒歩ツアー〉に合わせて装填された5曲入りEP。SHELLMEのラップも交えて突貫する“THANK YOU FUCK YOU”などライヴ映えするアッパーな曲が増えている。感傷的な“フォーエバー・ヤング”と“フューチャー・スターダスト”のエモみ濃厚な2曲は〈JUICYY ver.〉で新作にも収録。

 

PIGGS 『T.A.K.O』 プープーランド(2021)

〈GREAT MUSCLE TOUR〉に合わせて用意され、結果的に初期体制で最後の音源となったファースト・シングル。それぞれのパワフルさが光る表題曲は〈JUICYY ver.〉として新作に収録されている。ダンサブルで妖しいカップリングの“Beat Crazy”はここでしか聴けない。

 

PIGGS 『VISITOR』 プープーランド(2021)

4人体制では唯一のリリースとなったセカンド・シングル。勇ましいニューウェイヴ調の“VISITOR”とポップな“LINK EMOTION”というライヴ御用達の2曲は5人ヴァージョンで新作にも収録されている。インダストリアルで怪しげな“Piggy”はアルバムに未収録!