コロナ時代の1曲〉〈91年リリースの1曲〉と、好評を博してきたMikikiの連載シリーズ〈アーティストと音楽関係者が選ぶ「わたしの1曲」〉。今回のテーマは〈この曲、自分が書きたかった〉です。ミュージシャンや作曲家の方々に〈この曲、自分が書きたかった〉と思わせられるほどの魅力を感じる曲を選んでもらいました。ミュージシャンや作曲家が憧れたり嫉妬してしまったりする曲とは? *Mikiki編集部

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Chip Tanaka

ゲームソフト「MOTHER」「メトロイド」「スーパーマリオランド」などの音楽を手掛け、〈ポケットカメラ〉の商品開発などにも携わるとともに、作編曲家としても、TVアニメ、映画「ポケモン」の楽曲の多くを手掛ける作曲家、たなかひろかずによるアーティスト名義の1つ。2017年、自身初となるアルバム『Django』をリリース。〈フジロック〉など大型イベントへの出演、DAOKOやDÉ DÉ MOUSEとのコラボ、Netflix制作のビデオゲーム史のドキュメンタリーへの出演など、前人未踏の経歴を歩み続ける。

 

あなたが〈この曲、自分が書きたかった〉と思う曲は何ですか?

ばってん少女隊 “OiSa”(2020年作『ふぁん』収録曲) 

ランチしてる時、たまたまこの曲が流れた。思わずShazamして曲とアーティストが判明! この曲好きです。

まず、聴く人に警戒心をいだかせないイントロがいい。
基本、打ち込みで作られてて、そのリズムとか曲調の元に〈日本的〉〈祭り的〉な要素を誰もが感じるわけだけれど、そこも無理なく、濃くなり過ぎず、ほどよくブレンドされてていい感じ。
ポリリズム的な歌とコーラスのアレンジも呪術的な響きが全体を支配する要因に繋がっててとてもいい。

自分はほぼ邦楽を聴かないけれど、たまに聴くと、リズムにしろ上物にしろとにかく頑張ってるトラックが多いと感じてしまいますが、そこも、この曲はほどよく力が抜けている。けれど曲の個性はしっかり生きていて、歌との相性もよく、聴いた後も後ろ髪をひかれる思いがする。

何度も聴いていると〈あぁ、俺ならここの展開こうするだろうなぁ〉とか〈ココはこんなリズムで攻めたいなぁ〉とか思わず感じる部分があったりするわけだけど、でも、この曲のいろんな所から放たれある種の〈軽やかさ〉がこのトラックの魅力でやっぱ一番かもと、いつも最後はそう思う。いや、好きな曲です。

 


RELEASE INFORMATION

Chip Tanaka 『Domani』 sporadic vacuum(2021)

リリース日:2021年11月17日
品番:POCS23018
仕様:CD(デジパック仕様)
価格:2,750円(税込)
※CD特典 : 未発表音源のDLができる「田中の手紙3」封入 ※2022年5月末までの期間限定
配信リンク:https://virginmusic.lnk.to/Domani

TRACKLIST
1. Go→Jump↑
2. Pacific
3. Third Sunrise
4. Wonderful World
5. Fennec
6. Cactus Chant
7. Hourglass
8. Rainy Ride
9. Moon Drop
10. Shadow Dance
11. Sandstorm
12. Decolor
13. Voyage
14. 1912