コロナ時代の1曲〉〈91年リリースの1曲〉と、好評を博してきたMikikiの連載シリーズ〈アーティストと音楽関係者が選ぶ「わたしの1曲」〉。今回のテーマは〈この曲、自分が書きたかった〉です。ミュージシャンや作曲家の方々に〈この曲、自分が書きたかった〉と思わせられるほどの魅力を感じる曲を選んでもらいました。ミュージシャンや作曲家が憧れたり嫉妬してしまったりする曲とは? *Mikiki編集部

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林哲司

73年、シンガーソングライターとしてデビュー。以後、作曲家としての活動を中心に作品を発表。竹内まりや“SEPTEMBER”、松原みき“真夜中のドア〜Stay With Me”、上田正樹“悲しい色やね”、杏里“悲しみがとまらない”、杉山清貴&オメガトライブの全シングルなど、1,500曲余りの発表作品は、今日のシティポップブームの原点的作品となる。

 

あなたが〈この曲、自分が書きたかった〉と思う曲は何ですか?

Gilbert O’Sullivan “Alone Again (Naturally)”(72年)

旅先の能登半島から南に下って、夜のドライブを続けていたカーラジオから流れたこの曲に耳を奪われ思わず車を止めた。1972年の夏、衝撃的なこの曲との出会いだった。

巧妙なコード進行に導かれた流麗なメロディー、そして心地よい転調。ポール・マッカートニーがイコライジングしたような声の新人が、この曲の作詞作曲者でもあった。

本格的に作曲を学ぼうと、取り組み始めていたアマチュアだった自分の前に現れたこの歌曲。

その後、世界的なヒットをとおして永遠の名作になるのだが、図らずも自分の作曲家としての指標となった。

大衆性と音楽性―まさにそれは〈POP × ART〉をテーマにした、自分自身の作曲活動の精神と基盤だ。〈この曲、自分が書きたかった〉は、〈こういう曲、自分は書いてきた〉になった。         

 


LIVE INFORMATION

稲垣潤一 meets 林哲司
アルバム発売記念 トーク&ライブ

2022年3月30日(水)東京・六本木 ビルボードライブ東京
1stステージ
開場/開演:17:00/18:00
2ndステージ
開場/開演:20:00/21:00
サービスエリア/カジュアルエリア:9,700円/9,200円(1ドリンク付) ※ご飲食代は別途ご精算となります
お問い合わせ(ビルボードライブ東京):03-3405-1133
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=13297&shop=1

 

RELEASE INFORMATION

稲垣潤一 『稲垣潤一 meets 林哲司』 ユニバーサル(2022)

リリース日:2022年3月30日(水)
品番:UICZ-4601
価格:3,300円(税込)

1. 哀しみのディスタンス(新曲)
2. MARIA
3. 1ダースの言い訳
4. 誰がために…
5. P.S. 抱きしめたい
6. サザンクロス
7. 思い出のビーチクラブ
8. 悲しみは優し過ぎて
9. 愛は腕の中で
10. 悲しきダイアモンド・リング
11. 言い出せなくて
12. 君は知らない
13. A Glass Of The Sorrow
14. 僕は君の味方
15. Memory Flickers
16. My Destiny(新曲)