当初はEPとして昨年リリース予定だった新作が、初の武道館公演を控えるなかでフル・アルバムにスケールアップして堂々の完成。その大舞台に辿り着くまでの半生を歌う表題曲からJP THE WAVY × YZERRを迎えたビッグ・チューン“GILA GILA”、ANARCHYとの“やっちまいな”という風格に溢れた導入部がまず圧巻。Chaki Zuluならではの“Yen Bloc”やJIGGのビートがエグい“Heartbreak Erotica”における自在な語り口にも、“どれにしようかな”や“FOLLOW ME”などアフロビーツ〜ダンスホール系の曲で映える歌唱にも、濃厚な主体性が漲っていて圧倒されるしかない。だからこそ、タフな姿勢とタフであろうとする内省が入り交じった“Revenge”から“44 Bars”へ至る終盤の流れは胸に迫る。大傑作。