Elle誌の選ぶ〈未来を変える先駆的な10人の女性〉にも名の挙がっていた、2000年生まれの新星がついにアルバムを完成。自国の英雄ボルトに弾き語る“Legend”(2017年)がバズって“Raggamuffin”(2018年)で世界に飛び出し、メジャー契約するや初EP『Rapture』(2019年)でグラミーを受賞、さらにジョン・レジェンドやJ ハス、クルーエル・サンティノの作品に客演……というスピード感はまさに今風だが、本作では“Redemption Song”を下敷きにした冒頭の“X10”から穏やかでソウルフルな歌い口が深い印象を残す。敏腕ジェイ5のモダンな作法も耳を惹きつつ、ジョン・マクリーンに着想を得たというラヴァーズやテフロン製のダンスホール“Where I'm From”での地に足の着いた姿勢も頼もしい。大器です。