「イエスタデイをうたって」の冬目景最新作。祖父の遺した古本屋を引き継ぎ、神保町で暮らすことになった百木田(からきだ)三姉妹。本好きな次女・ツグミは脱サラして〈魁星書房〉の経営を、長女のイチカは建築雑誌の編集者として働き家計を支え、ピンク髪の三女・ミノルは自由な高校生活を送っている。お店を守るため試行錯誤しながらものびのびと暮らす三人の前に、隣に住む怪しい男・梓沢が現れて……。今作も「イエスタデイ~」のように人間関係(主に恋愛)が複雑になっていきそうな予感がするので心して読み続けたい。多摩美油画専攻卒の作者が描く古本・コーヒーミル・シトロエン2CVなどのレトロアイテムはとても味わい深い。ざらっとした手触りのカバーがまた良し!