〈用九商店〉。台湾の片田舎の架空のよろず屋。人生に必要なもの十のうち九が揃うという。ほどほどがよいから用十にしなかったと、目次の余白に店名の由来が記される。この作品は台湾の漫画家の手によるもので、翻訳漫画。舞台の村は都市生活者には俄に受け入れられないほど昔のまま。そんな村の生活を支えてきたよろず屋の店主が病に倒れ、孫が帰郷して店を引き継ぐところから物語は動く。足りないものを求めて来店する村人と彼らの注文を叶えるために日々奮闘する店主。次第に残されたワンピースを埋めて九を十にしていたのは、商店に集まった人たちのお互いを思う気持ちだったことに気がついていく。
ルアン・グアンミン「用九商店 4」台湾の漫画家が描く、〈九〉を〈十〉にする人々の互いを思う気持ち
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