リヒャルト・シュトラウス研究の第一人者・広瀬大介による、歌詞と音楽の流れを同時に読める新しいガイドブック。今更だが楽劇「サロメ」は新約聖書を基にしたオスカー・ワイルドの戯曲。王女サロメはヨカナーン(洗礼者ヨハネ)に恋をして、父ヘロデ王の要求に応えてダンスをする代わりに、ヨカナーンの首を望んだ。銀の皿に乗せたヨカナーンの首に口づけまでしてしまうクレイジーな娘さんで、初めてオーブリー・ビアズリーの挿画をみた時は衝撃を受けた。本書では、左ページに対訳付の台本が、右ページには譜例をあげながら物語に沿って音楽分析がなされている。シュトラウスが付曲するにいたった経緯、おすすめCD・DVD、作品の背景についてのコラム等も掲載され、じっくりとサロメを味わえる。初心者もファンも楽しめる1冊だ。