――「Half-Truth Trip」で日村さんのシャツが汗でビショビショでした。苦労などはありましたか?

日村「まぁ動くのが面白いネタで、こうバタバタバターってやっているのが演出のひとつなので、だから動いてこうぐちゃぐちゃになっているのが良いというかね」

設楽「でもビショビショはもう今に始まったことじゃ無いんですけどね」

日村「やっぱり稽古の時とは違うんですよね、本番って。まず何よりも照明があるし圧倒的に動いてますから汗の出方が稽古で体験していないくらい量が出ます。写真で見てビックリしましたね」

設楽「フッ(笑)。このネタは、日村さんが大変というよりは、衣装をどういう風にするかっていうのを考えて。動くからこう服が乱れちゃうんですよね」

日村「シャツが出ちゃうから」

設楽「いろいろやったんだけど、最終的には下着にシャツを縫い付けるっていう」

日村「自分の下着に」

――日村さんは最近ウォーキングをされていることもあり、あまり息切れしていないようにも見え……。

日村「むちゃくちゃしてます! めーちゃくちゃ息切れしてましたね(笑)。あとね、ライブの直前に膝に水が溜まったんですよ。動けなくなっちゃったんですよ(笑)。だから病院へ行って水を抜いたりしたんですけど」

設楽「はっはっはっはっ」

――「Hidden Curiosity」での〈赤えんぴつ〉では「皆さん久しぶりですよね~」という会話から始まり、名曲と名高い“誕生花”が披露されていました。ファンにとっては胸アツな展開だったと思うのですが。

設楽「〈赤えんぴつ〉って結構ずっとやっているネタなんですけど、赤えんぴつっていうフォークデュオも久しぶりのライブ、みたいな設定にしているので、だから別に前の歌をやっても良いんじゃないかみたいな感覚というか、それでやったんですよね。新しい曲とあわせて。あとさっき日村さんが膝悪い、膝の水抜いたって言ってましたけど、だからここで膝を攻撃してました(笑)」

一同「(笑)」

設楽「でも裏だけの話でそんなこと言ってないから、なんでそんな膝ばっか攻撃するんだっていう(笑)」

日村「あはははははは」

設楽「そういうのも別に言ってないからね、なんでだろうって思うよね(笑)」

日村「ふふふ」

――今回、日村さんのギターの音がよく響いていたように感じました。

日村「ほんとですか!? これね、初めてちゃんとしたピックの持ち方をしたんですよ」

設楽「その前に、ギターをちゃんと調整したんですよね。ライブのギターをちゃんとやってくれる人に出したんですよ。だからじゃないですかね(笑)?」

日村「いや! ピックがですねぇ、あの……要は違うんですよ(笑)」

設楽「(笑)」

日村「今まではねぇ、もう手がとにかく汗かいてしまってなんか滑る感じが不安でガッと持っていたんですよ、それをこう思い切ってこうやって(深めにグッと)持ってみたらこれで結構しっくりくるなっていうのを、初めてこう体で感じて、これでいってみようというのが良かったのかもしれないです。でも自分で今回音いいなとかはよくわかんないですけど」

――ギターが鳴っているって感じました。

日村「ほんとですかぁ!?」

設楽「ほぇー、じゃあピックもそうなんだね」

日村「うん、あると思いますねぇ」

――「Henmi Kyoutarou」は圧巻でした。

設楽「これの日村さんのセリフが一番大変だったと思いますね」

日村「うんうん」

設楽「でも最初はもっとすごい長かったんですよ」

日村「そうそう」

設楽「もう、すごい長かったですね。これ、作家のオークラがベースを書いたんですけど、始めの初稿で普通にやったらたぶん1時間半くらいになるっていう」

――えぇ!

設楽「だから、そこからいらない部分を削って削って。最初は日村さんの独りしゃべりが半端なかった。でもそれをギュンと削っても日村さんのセリフは長かったっていう」

日村「特に最初ですね。最初はやっぱりすごいしゃべってしゃべってしゃべって、この人違うっていうオチだから。そこは一人で練習すれば良いんだけど、やっぱり不安ですよね、リアクションが無いから。あと、リズム作ってこうね、体に入ってくるとやれるんですよね、でもそこまでいかないっていう」

――今、最後のオチの話がチラッと出たのですが……最後の真相、結末を聞くのは野暮かなと思っていたのですが。

設楽「結末というか、あのまんまですよ(笑)。あの、深読みをしていただいてありがたいんですけど、あのまんまです(笑)」

――完全に深読みしていました。

日村「ふふふふ」

設楽「本当はもっとストレートに終わろうと思っていたんですけど、なんかこれじゃなぁって言って、それでもうひと展開付け加えたって感じもあるんですよね」

――繰り返し観ると余計にわからなくなっていました(笑)。

設楽「これは特にね、ちょっとそういう世界観というか。不思議な感じというか。このネタだけ舞台のセットもすごいちゃんとしているからよりそういう風に見えるのかもしれないですね」