世界的なスマッシュとなった前作『Heaven & Hell』に続く3年ぶりの新作。今回は前作のような2部構成ではない様子だが、とにかくペースを落とすことなくシンセの煌めきとエレクトロ・ビートの疾走を乗りこなして最初から最後まで駆け抜けていく。今回も後見人のサーカットが全面プロデュースを手掛けた意匠は80sマナーがベースだが、一口に80年代といってもリアルタイマーにも刺さるものから90年代的な80sノリ(リアン・ライムスのネタ使いもある)、00年代のニューウェイヴ・リヴァイヴァルやユーロ・ポップ、最近のモダンなクラブ解釈に至るまで、曲ごとに角度が違っていて飽きさせない。泣きながら踊るダンスフロアを意識したというだけあって、グッとくる展開やメロディーも抜群。今回も最高です。