2020年の5月という不遇な時期に登場したヘイリー・ウィリアムスのソロ作『Petals For Armor』はしかし、個々のポテンシャルに多様な音楽性が存在することを改めて認識させてくれるエレクトロニックな快作だった。そしてトリオ体制になってからの2作目となるパラモアとしての待望のニュー・アルバムは、バンドの前作『After Laughter』(2017年)ともヘイリーのソロとも違うクールでアーティーでポップな雰囲気に仕上がっている。大まかに言ってしまえばエッジーなポスト・パンク作品といった形容がハマる感じで、フォールズやブロック・パーティー、もしくはトーキング・ヘッズの影響を感じ取る人もいるだろう。揺れるようにダンサブルなリズムと洒落たギターが小気味良くマイルドにバンド像を更新した一枚。