©Zachary Gray
Love Me Different
パラモアのアイコンが独立後の初ソロ作『Ego Death At A Bachelorette Party』を完成。シングル集という位置付けの多面的なコレクションを通じて、いまのヘイリー・ウィリアムスが表現したかったこととは……
パラモアへの期待も膨らませる一枚
ビリー・アイリッシュやオリヴィア・ロドリゴらZ世代の女性シンガー・ソングライターたちの大きなインスピレーションにもなったパラモアのヴォーカリスト、ヘイリー・ウィリアムズが3作目のソロ・アルバム『Ego Death At A Bachelorette Party』をリリース。トーキング・ヘッズの影響も消化しながらポップ・パンク~エモから進化したパラモアのインディー・ロック路線の延長上にあると言える作品だが、“Ice In My OJ”や“Hard”ではR&Bやヒップホップにアプローチ。また、表題曲はヘイリー流のスウィート・ソウルの趣も。前2作よりもギター・オリエンテッドであることに加え、ほぼロウキーに徹したヴォーカルにみずから重ねたコーラスがエモーショナルというところがおもしろい。同時リリースした17曲のシングル・ナンバーをアルバムとしてまとめる際、最後に加えたパラモア風のポップ・ロック・ナンバー“Parachute”も含め、エモ時代のパラモアが好きだったというファンでも楽しめるに違いない。実はパラモアの新作になる予定だったが、歌詞があまりにもパーソナルなものになったため、ソロとして完成させることになったのだそうだ。だったらパラモアの新作も……とリスナーに期待させるあたりも本作の聴きどころと言えるだろう。 *山口智男
